【並み居るライバルより上】プジョー2008 1.2ピュアテックに試乗 130psガソリン

公開 : 2019.12.16 09:50  更新 : 2019.12.16 10:29

魅力を感じる3Dのiコクピット

車内は高級感があり、合皮が用いられた内装には鮮やかなステッチが施されている。控え目に配されたシルバーのプラスティック製パーツは、本物の金属のような質感がある。

全長が4.3mもあるから、リアシートでも大人は快適に過ごせるだろう。荷室容量は360Lあり、プジョーによればこのクラスではかなり大きいという。ドライバーがどのクラスと比べるかにもよるだろう。

プジョー2008 1.2ピュアテック 130GTライン
プジョー2008 1.2ピュアテック 130GTライン

130GTラインの場合、大きなタッチモニターが付いてくる。見た目は良いものの、使い勝手はほどほど。少なくともエアコンの温度調整操作は、モニターに内蔵しない方が良いと思う。

ドライバーの正面に広がるのは、より煮詰められた3Dのプジョーiコクピット。ステアリングホイールのチルトをかなり下の方に設定しない限り、小径なステアリングホイールが計器用モニター(ヘッドアップパネル)を少し覆い隠すように付いている。

3Dというだけあり、計器用モニターの情報表示は複数のレイヤーに分かれており、奥行きを感じられる。計器パネル内にヘッドアップ・ディスプレイのように投影されているといえるだろうか。

仕組みは、TFTモニターの映像をミラーに反射することで、実際の計器パネルの表面より情報が奥まって見えるようにしているもの。前方視界から視線を移した際、焦点を合わせるのを楽にすることを目指したものだ。

表示のカスタマイズも可能で、なかなか魅力的だと思う。表示設定の中にはエンジンの回転数が出ないものもあるが、パワーバンドが広いから6速MTでも困らないだろう。

乗り心地と姿勢制御との良いバランス

メカニカルな部分は比較的ベーシックで、基本骨格のCMPはスチール製。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式でリアがトーションビーム式となる。ガソリンとディーゼルエンジンはフロントに搭載され、前輪を駆動する。

EV版も前輪駆動。コンパクト・クロスオーバーと名乗っているが、4輪駆動の設定はない。この手のクルマのドライバーは、駆動方式を気にすることもないらしい。

プジョー2008 1.2ピュアテック 130GTライン
プジョー2008 1.2ピュアテック 130GTライン

今回の試乗では、155psにATが組み合わされた高出力版にも短時間だが試乗をした。二酸化炭素の排出量は113g/kmと僅かに増える。どちらの最高出力でも、1.2Lエンジンはとても静か。一生懸命回すと、わずかにノイズを響かせてくる。

ATでもMTでも変速マナーは良好。プジョーの場合MTが選ばれる割合が多い。プジョー車のMTの変速フィールが好感触なのは、PSAグループに属するオペルの良い影響だといえる。実際、オペルはMTのアドバイザー的な位置になっているという。

シフトノブをスライドさせると僅かなノッチの感触があって、コクリとポジションに納まり心地いい。8速ATの方は、スムーズでシームレス。

ドライビングの印象は全体的に安楽。ステアリングホイールの操舵感は軽いが、スピードが増していくのに合わせて自然に重さが加わっていく。突然手応えが変わることもない。

試乗車のタイヤは17インチで扁平率60のミシュラン・プライマシーを履いていたが、乗り心地には充分なしなやかさがある。クロスオーバーは通常のハッチバックより車高が高い分、乗り心地と姿勢制御とのトレードオフが生じやいが、2008の場合はうまくバランスを取っている。

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