【4気筒ディーゼル追加】レンジローバー・ヴェラール D180 試乗 より身近に

公開 : 2020.01.04 10:20  更新 : 2021.04.13 18:04

オンロード寄りのレンジローバー・ヴェラールの、エントリーグレードとして登場した4気筒ディーゼルがD180。多くのドライバーが高級SUVに求める内容を備えつつ価格は抑え、ヴェラールの間口を広げる存在となりそうです。

オンロード寄りモデルの間口を拡大

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
レンジローバー・ヴェラールが発表された時、ランドローバーは中型ラグジュアリーSUVとして位置づけ、価格を決めて売り出した。そんなランドローバーの中で最もオンロード寄りのモデルが、より手頃な価格帯へ足を広げることとなった。

ライバルモデルのエントリーグレードと同様に、D180のエンジンは4気筒となっている。BMW X4メルセデス・ベンツGLEなどにも4気筒モデルは存在する。ポルシェ・マカンにも4気筒モデルが存在するものの、そちらはガソリンユニットだ。

ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール Rダイナミック S D180
ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール Rダイナミック S D180

JLRの4気筒ディーゼルの最高出力は179psしかないが、ヴェラールの車重は2tを超える。かなりの重荷に見えても0-100km/h加速は8.9秒だから、それほどでもなさそうだ。

トランスミッションは8速ATで、駆動力は4輪へと伝えられる。日常的な走行は1750rpmから得られる、43.7kg-mという太いトルクが助けてくれる。

今回試乗したのはヴェラールD180の「S」で、アルミホイールは19インチとなり、LEDヘッドライトやパワーテールゲートを装備。さらに英国の高級ステレオメーカー、メリディアン社のサウンドシステムと、ナビゲーション・プロ・インフォテイメント・システムも搭載され、交通標識認識機能なども付いている。

加えて試乗車のRダイナミックと呼ばれるトリムグレードでは、ハンサムなスタイリングが更に引き上げられている。インテリアではパドルシフトとペダルが金属製となり存在感を増し、スポーティな雰囲気を強めている。

2.0Lディーゼルでも充分快適に走れる

D180であってもインテリアの装備は上級志向で、ダッシュボードの中央には大きなタッチモニターが2面レイアウトされる。インフォテイメントのほか、エアコンやドライビングモードなどの操作が可能だ。

物理的なダイヤルもいくつか残され、タッチモニターだけでの操作より遥かに使いやすい。メーターパネルはアナログ式で、中央に小さなモニターが置かれたタイプが標準となる。

ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール Rダイナミック S D180
ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール Rダイナミック S D180

全体的に漂うハイテク感と、アナログメーターとは少し不釣り合いにも感じられた。オプションでモニターによるデジタルメーターも選べるから、気になるドライバーは選択をお忘れなく。

エンジンの能力は必要充分だが、もちろんラインナップの他のユニットほど強力というわけではない。洗練性はほどほどでも、多くのドライバーはパワー不足だと感じないだろう。

高速道路での追い越しも、必要以上に気張ることなくこなせるし、街中での出だしも良好。だたし8速ATは、先行車との車間を詰めたい時のちょっとした加速時など、キックダウンでやや素早さ欠く場面はあるようだ。

ディーゼルエンジンは、特にアイドリング時や低回転時で負荷がかかると、荒々しいノイズを放ってしまう。風切り音やロードノイズはよくチェックされているから、高速道路でクルージングさせている限り、車内はとても快適な空間となる。

排気量は小さくてもボディサイズは大きく、車重もさほど変わらない。身のこなしの俊敏性や正確性は、BMW X4には及ばないし、プラットフォームを共有しているジャガーFペースにも届いていないことは確かだ。

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