【パワートレイン比較】改良新型M・ベンツEクラス、ディーゼルPHEVも試乗 E 200/300/350 deの評価は?

公開 : 2020.01.04 20:50  更新 : 2021.10.11 13:51

短評 E 300アバンギャルド・スポーツ

走り出した瞬時に、「E 200」とのパワーの差をはっきりと感じられた。タイヤの1回転目から明らかな差が体感でき、体がシートに押し付けられることで分かる。

ワインディングを始めあらゆるシチュエーションで望む加速が瞬時に得られ、余裕をもって走ることができる。以前の「E 250」に比べても明らかなパワーの差を体感できた。今回は試乗場所の関係から高速セクションで試すことができなかったが、高速域も得意科目であることが伺い知れる。

2.0Lターボを搭載するE 300アバンギャルド・スポーツ
2.0Lターボを搭載するE 300アバンギャルド・スポーツ

足まわりは「アジリティ・コントロール・サスペンション」が標準で備わり、幅245mmのワイドな19インチ・タイヤが組まれていることから低速ではハードだが、ペースが上がるにつれフラットなEクラスらしい乗り心地に変わるのは美点。

高い出力を活かしてスロットルで姿勢をコントロールできるため、ボディ・サイズがひと回り小さくなった気にさせられた。電気を介さないでパワーを求める方には好適な1台といえる。

ハイブリッドを認める方はプラグイン・ハイブリッドの「E 350 eアバンギャルド・スポーツ」が選択肢に加わる。パワー的にもエンジンの211psに加え、モーターの122psが加わり、システム総合では320psにも達する。装備に多少の違いはあるが、「E 300」よりなぜか19万円も安い852万円というプライスタグが付くので、どちらにするか悩むところだ。

E 300アバンギャルド・スポーツ スペック

価格:871万円
パワートレイン:1991cc直4ターボ
最高出力:258ps/5800-6100rpm
最大トルク:37.8kg-m/1800-4000rpm
燃費(WLTCモード):12.0km/L

それでは大きなニュースである、ディーゼル・プラグイン・ハイブリッドのEクラスに話を移そう。

ディーゼル・プラグイン・ハイブリッド登場

幅広いバリエーションを展開するEクラスだが、2019年10月末に、新たなプラグイン・ハイブリッド・モデル(PHEV)が加わった。

ガソリンPHEVの「E 350 eアバンギャルド・スポーツ」については前項で触れたが、本命と目されるのが日本初のクリーンディーゼルPHEVとなる「E 350deアバンギャルド・スポーツ」。

ディーゼルPHEVのE 350 deアバンギャルド・スポーツ
ディーゼルPHEVのE 350 deアバンギャルド・スポーツ

エンジンは「E 220 d」で使用されているOM654型で1950ccから194ps/40.8kg-mを発揮することに変わりはない。

「E 350 de」では、122psの電動モーターを組合わせ、総合出力は306psに達する。ハイブリッド化に際して13.5kWhのリチウムイオン・バッテリーが搭載されたが、セダンではトランクの奥に収められている。フロアが1段高くなったことで、荷室容量は通常モデルの540Lから370Lに減少。車重が300kgほど増えたことがハイブリッド化によるデメリットといえる。

クリーンディーゼルにPHEVを組み合わせ、環境的にもパフォーマンス的にも究極と呼べるスーパーサルーンは、0-100km/h加速が5.9秒、最高速度が250km/hをマーク。

現時点では日本仕様の燃費は未発表で、試乗も短距離だったためにデータは取れなかったが、AUTOCAR英国編集部のテストでは46.0km/Lを記録。また、CO2排出量も41-44g/kmと環境に優しいモデルに仕上げられている。

走行モードは「ハイブリッド」のほか、EV走行の「E」も用意され、モーターのみで50kmを走行でき、電動時の最高速度は130km/h。早朝深夜のガレージの出し入れに気を遣わなくて済み、近所の買い物なら「E」モードで済ますことができる。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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