【偉業と思えるほど高い完成度】ACシュニッツァー ACS5 BMW M5ベースの720ps

2020.01.13

大きなボディが内包する圧倒的な能力

試乗車はサーキット走行に合わせて設定してあり、乗り心地は硬い。しかし路面の荒れた状況は車内に過剰には伝えず、居心地は充分に良かった。M5の肉厚なシートのおかげもあるだろう。長距離でも上質で快適な走りを目指した、M5のシャシーの存在も大きい。

ACS5はまるでスポーツカーのように、サスペンションをほぼ伸縮させずにコーナリングする。4輪駆動システムとM5固有のバランスの良さで、ドライバビリティに大きな欠点はない。唯一、轍にやや足を取られやすいことくらいだろう。

ACシュニッツァー ACS5スポーツ
ACシュニッツァー ACS5スポーツ

大きなボディが内包する圧倒的な能力で、極めて高速で運転する自信を抱ける。4輪駆動モードのままでも、後輪駆動に変更していても、リアタイヤをスライドさせることも難しくない。

長いホイールベースと強大なトルクによって、M5とその派生モデル、アルピナB5やこのACS5はオーバーステアを好む。だがACS5の場合、グリップとスリップとの境界線がより高い。おふざけをする気持ちは、他のモデルよりは控え目になると思う。

そのかわり、クルマのグリップレベルは高く、ハンドリングはよりタイトだ。

付け加えるなら、インテリアで選べるオプションが少ないこと。シフトパドルとブランドロゴが入ったiドライブのロータリー・スイッチ程度。エクステリアほど個性は出せないが、逆にそれが良いのかもしれない。

排気抵抗が少なそうな、スポーツエグゾーストも良く検討した方が良い。オリジナルと同様に、特に音響が魅力的というわけでもない。スポーツモードを選ぶと、プロボクサーがパンチのラッシュを浴びせるように、激しく弾けるサウンドが襲ってくる。

 
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