【主役と影武者】ACアシーカ/アストン マーティンDB MkIII 007が結ぶ2台 後編

2020.01.18

100字サマリー

ACアシーカとアストン マーティンDB MkIII。一風変わったハッチバックボディをまとう、兄弟のように似た2台ですが、その乗り味は大きく異なります。銀幕の主役級になった1台と、影に隠れたもう1台を詳しく見ていきましょう。

もくじ

ハリウッド女優と身代わりのスタントマン
集中力が求められるDB MkIII
ドライバーズカーと呼べるアシーカ
スクリーンのアストン、リアルのアシーカ
ACとアストン、2台のスペック

ハリウッド女優と身代わりのスタントマン

text:Greg Macleman(グレッグ・マクレマン)
photo:Olgun Kordal(オルガン・コーダル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
今回取り上げているACアシーカとアストン マーティンDB MkIII。両車の雰囲気はよく似ている。当時は画期的だったハッチバック・テールとリアウインドウ周りの処理などが、特にそう感じさせるのだろう。

だがアストン マーティンの方がボディサイズは明確に大きい。ボンネットもルーフラインも高く、どこか穏やかな雰囲気もある。

ACアシーカ 2.6/アストン マーティンDB MkIII
ACアシーカ 2.6/アストン マーティンDB MkIII

ACアシーカの方は、フェンダーのラインはスリークで、面構成はややふくよか。小さなサイドウインドウと相まって、プロポーションは理想的だ。

アストン マーティンと並ぶACアシーカは、ハリウッド女優と、身代わりのスタントマンといった雰囲気。実際に走り出してみると、両車の演技力や運動神経があらわになった。

アストン マーティンの方は、郊外の道を普通に進ませていると至って穏やか。70km/h程度での落ち着いた身のこなしからは、それまでレースシーンで戦ってきた記憶を感じることができる。

豊かなトルクが回転の上昇とともに湧き上がり、アクセルをわずかに動かすだけで滑らかに巡航する。さほどスピードを上げずとも、ステアリングホイールの操舵感には明らかにデッドスポットがあるようだ。クルマが自身の進路を自ら選ぶ余地があるように。

常に一定のステアリング操作が必要。当時の映画のカーチェイスシーンのように、ステアリングホイールを動かしながら手元を思わず見た。

 
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