【BMWから乗り換えたドライバー】トヨタ・カローラ(4) 強みは燃費 長期テスト

公開 : 2020.01.18 10:20  更新 : 2021.01.28 16:58

新しく生まれ変わったトヨタ・カローラ。競争の激しいファミリーカーの中で、どれほど優れた内容を備えているのでしょうか。日本ではカローラ・スポーツと呼ばれるハッチバックを、時間を掛けて英国編集部が検証します。

積算6263km クルマのイメージに合うシート

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
長期テストで乗っているカローラ・スポーツのシートは至って平凡。高性能が自慢のバケットシートでも、上質なレザー仕上げでもない。シートヒーターは付いているが、それ以外は特徴がない。

ではなぜ敢えて触れるのか。過度にイメージ先行型でなく、とても快適なシートだから。カローラ・スポーツの雰囲気によくマッチしたシートだと思う。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)

積算7794km BMWから乗り換えた長距離ドライバー

トヨタ・カローラ・スポーツは、英国のAUTOCAR編集部にあるクルマの中でも、控え目ながら人気者だ。

事務所で借りている駐車場には壮観なSUVから派手なスーパーカーまで揃うが、リラックスして乗れる燃費の良いクルマは、長時間過ごすのに丁度良い。高速道路を長く走るような目的では、人気の選択肢となっている。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)

興味深いことに、こう感じるのは編集部だけではないようだ。先日、カローラ・スポーツへ乗り換えたという2名の読者から連絡をもらった。1人は以前にBMW520dへ乗っていて、もう1人は320dツーリングから乗り換えたという。

両者ともBMWからカローラへ乗り換えるのは、通常ではないということも認めてはいる。しかし会社からの貸与車両として自動車税を削減でき、ランニングコストが下がるという点を評価する、年間走行距離の多いドライバーだった。

プレミアムブランドにも勝てる、トヨタ・カローラ・スポーツの強みを証明している。同時に、比較されるモデルが幅広いということも示している。

1.8Lより好印象な2.0Lエンジン

トヨタ・カローラ・スポーツから得られるとても優れた印象に、高く満足をしているわれわれ。だが走行距離が伸びるにつれて、小さな不満も見えてくるようになった。新年早々の話題としてはどうかと思うが、思い当たるところを挙げてみたい。

カローラ・スポーツで最も優れていると感じる1つは、英国仕様車に積まれる2.0Lのガソリンエンジンをベースとしたハイブリッド。プリウスや日本仕様のカローラ・スポーツに搭載されている1.8L版と比べると、明確に一歩前進の仕上がりを得ている。

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)・エクセル2.0ハイブリッド(英国仕様)

洗練され経済的なパワートレインだ。その反面、大きなエンジンを搭載しているということは、荷室容量が小さくなるということも意味している。

1.8Lモデルの場合、ハイブリッドのもう1つのエネルギー源となるバッテリーは、ボンネットの中にエンジンと一緒に搭載されている。しかし2.0Lエンジンは物理的に大きく、バッテリーがフロントには収まらない。

結果2.0Lモデルの場合、バッテリーはリアの荷室を削って搭載されている。荷室の床面が高くなっているぶん、容量も小さい。1.8Lモデルでは361Lある空間が、2.0Lモデルの場合は313Lになっている。

まだ充分な荷室空間があることは事実だが、カローラ・スポーツのライバルモデルと比べると小さ目。大きな荷物を頻繁に運ぶオーナーは、不満を感じるかもしれない。

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