【クーペからクロスオーバーへ変身】新型 フォード・プーマ 1.0T 125に試乗

公開 : 2020.01.25 10:20

フィエスタをベースに機能を充実

インターネット接続機能、コネクティッドにも対応。8.0インチのシンク3インフォテインメント・システムがすべてを司る。4G回線の内蔵モデム・オプションもあるため、WiFiスポットとして、最大で10デバイスまで接続できるという。

秘密のラゲッジスペース「メガボックス」。荷室の床下に80Lの容量のある独立した収納ボックスが用意されている。プラスティック製で排水ドレンも備え、水洗いできるから、釣った魚や濡れたウェットスーツも押し込める。実際に使ってみると、便利なことに気付くだろう。

フォード・プーマ 1.0エコブースト 125 mHEV チタニウム(欧州仕様)
フォード・プーマ 1.0エコブースト 125 mHEV チタニウム(欧州仕様)

今回試乗するのは、エントリーグレードの1.0エコブースト 125 mHEVチタニウム。

新しいプーマは驚くほどハンサム。クロスオーバーとしてバランスが取れており、スタンスも締まって見える。マツダCX-3以上に個性的なプロフィールやウエストラインを持つ。お好みでホイールは19インチまで選べる。

車内もほぼフィエスタ。特にダッシュボードは、突き出た8.0インチのタッチモニターも含めてそのまま持ってきている。プーマの場合、計器パネルが12.3インチの全面モニター式となる点は大きな違い。

ダッシュボード上面はソフト加工され、ドアパネルには風合いのいいファブリックが用いられるなど、質感も良好。硬質で安っぽいプラスティック製の部分も少なくなく、プレミアムを狙ったという意向には沿っていない。車内装備類の操作性は良好で滑らかだ。

着座位置はフィエスタよりわずかに高め。車内は広々としているが、マイルドハイブリッド版にはバッテリーが積まれ、荷室容量が456Lから401Lへ小さくなる。

シート表皮も外して水洗いすることもできる。日常的な必需品としてクルマを利用していると、汚れがちなだけにありがたい。

直接のライバルの遥か上を行く楽しさ

プーマで何より嬉しいのが、フィエスタ由来を活かしていること。広げられた全幅に加えて、クルマの四隅に配されたタイヤのレイアウトが、惹きつけるドライビング体験を与えてくれる。

多くのメーカーがクロスオーバーは楽しいクルマだと宣伝するが、フォード・プーマの場合は本当に楽しい。直接のライバルの遥か上を行くといっていいだろう。

フォード・プーマ 1.0エコブースト 125 mHEV チタニウム(欧州仕様)
フォード・プーマ 1.0エコブースト 125 mHEV チタニウム(欧州仕様)

最も輝きを放つのは、シャシー。正確に安定性を保って、すべてのコーナーをクリアしていく。柔らかめの設定となるチタニウム・グレードの場合、まるで優れたフランス車のような流れる足さばきを獲得。絶妙な減衰力は、操縦性と快適性の素晴らしいハーモニーを生んでいる。

よほどひどい状態でない限り、サスペンションは路面の変化で生じる揺れやノイズから、車内を隔離してくれる。

ステアリングは、スポーツモードを選ぶと少し重くなる。切り始めからレスポンスに優れ、レシオの設定も良い。ステアリングホイールに伝わる感覚も充分で、どんなコーナーでもプーマを狙った通り進めていける。

フロントタイヤのグリップ力は高い。ペースを速め過ぎると、ブレーキベースでのトルクベクタリングが機能し、車線内に留めようとしているのが感じ取れる。ボディロールは漸進的に発生するが、ダンパーがちゃんと姿勢制御してくれる。

良い意味でフィエスタに乗っているかのよう。コーナーではドライバーの腰の辺りを軸に回転していく感覚があり、途中でスロットルを閉じるとラインを内側に絞っていける。

コーナーの連続する道をハイペースで走らせても、違和感を感じずに楽しめる。コンパクト・クロスオーバーとしては稀有だ。

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