【最後の戦い】真のファミリーSUV対決 ホンダCR-V vs マツダCX-5 前編

公開 : 2020.02.09 05:50

見事ハイブリッド対決を制したホンダCR-Vですが、真のファミリーSUVとして優れているのはどちらなのか、マツダCX-5との最後の戦いに臨みます。パワートレインの違い以外にもそれぞれ強みを持つ2台でしたが、最後の決め手となったのは新ルールの導入だったようです。

「ラスボス」はCX-5

CR-Vが今回の4台によるハイブリッド対決を制し、日本製ハイブリッドSUV最高のモデルだと評価されることとなった。

ホンダには称賛を贈りたい。

CX-5が積む2.2Lディーゼルエンジンは185psのパワーと45.3kg-mのトルクを発揮する。
CX-5が積む2.2Lディーゼルエンジンは185psのパワーと45.3kg-mのトルクを発揮する。

では、CR-V、より厳密に言えばそのプラグインではない一般的なハイブリッドパワートレインは、この広範なSUV世界でどのように位置付けられるべきだろうか?

圧倒的なトルクと低CO2排出性能、そして長距離走行における良好な燃費性能を誇るディーゼルエンジンに長く頼ってきたこの活気溢れるセグメントにおいて、CR-Vはディーゼルを凌ぐ勝者になり得るのだろうか?

その答えを探るべく、最後の戦いを準備することにした。

任天堂やPlayStation、さらにはセガといった数々のゲームを生み出してきた国からやってきたこの最後の敵を、われわれは「ラスボス」と表現するべきかも知れない。マリオたるCR-Vが挑むこのディーゼル燃料で動くクッパも日本からやって来たのだ。

今回の対決に登場するマツダCX-5は、3万8010ポンド(543万円)のプライスタグを掲げ、185psを発揮する四輪駆動のトップモデル、GTスポーツ・ナビ+であり、すでに英国版AUTOCARお気に入りの1台となっている。

2018年に行ったSUVメガテストで優秀な成績を収めたこのクルマには、今回のラスボスとして登場するに十分な理由がある。

確かに勝利することは出来なかったかも知れないが、今回はボディサイズがややコンパクトなため参加が許されなかったボルボXC40に次ぐ時点だったのだから、決して卑下することなどないだろう。

快適性 vs ハンドリング

ボディサイズに関して言えば、このマツダはボルボXC40よりもはるかにCR-Vに近いが、ホンダのボクシーでより実用的なデザインは、一目見てこのクルマのキャビンスペースが十分であることを予感させる。

CX-5ほどの高級さやミニマリスト的精神を感じさせることはないものの、シャープなデザインのこのマツダと比べ、CR-Vのキャビンは端的に広々とした空間を確保することに成功しているのだ。

CR-VのキャビンはCX-5よりも広々とした空間だ。
CR-VのキャビンはCX-5よりも広々とした空間だ。

CR-Vのフロントシートに座ると、運転好きであればCX-5が持つより低く座らせて包み込むようなフィールが感じられないことを寂しく思うかも知れない。

だが、もし見下ろすような視点と、「大型SUV」の室内空間がもたらす広々とした感覚を求めているのであれば、CR-Vの方を高く評価するだろう。

これは後部座席についても同様であり、ホンダはマツダよりも広いリアパッセンジャー用スペースとトランク容量を確保している(494Lに対して497Lだ)。

さらに、乗り心地の面でもCR-VがCX-5を圧倒してみせる。

両者とも路面不整に対して十分以上の滑らかさと落ち着きで対応するが、マツダが時に足並みの乱れを見せる一方(特に低速時に見られる)、CR-Vはよりしっとりとした穏やかさで乗員を優しく包み込むのだ。

だが、マツダもその優れたハンドリングで対抗する。

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