【マイナーチェンジ後こそ本来の姿】ジャガーXE 2.0(最終回) 長期テスト

公開 : 2020.02.16 11:50

前期モデルのロードノイズと乗り心地

以前、ジャガーでは有名なテストドライバーだったノーマン・デュイスへ、このうるさいロードノイズの問題を伝えたことが忘れられない。彼は90歳を過ぎ、自身が手掛けたジャガーに乗っている時だった。

乗り心地は、それほど大きな不満ではない。Rスポーツのサスペンションは引き締まっているぶん、ロータリー交差点で素早く方向を変えてくれる。長く続く高速コーナーでの安定性も、XEは素晴らしい。

ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)
ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)

最近頻繁に運転するSUVと比べると低いドライビングポジションも、楽しめる要素。とても効率的で、しっかり走る印象を与えてくれる。

だが一緒に座った人は、乗り心地の快適性が気になるようだ。ロードノイズ以上に、凸凹を超えたときの車内への影響が話題になった。確かに落ち着いた乗り心地ではない。感じ方の違いは、このクルマに対して個人的な思い入れが大きいことも、影響しているだろう。

今回のマイナーチェンジにより、長期テストで乗っている2.0Lエンジンの200ps仕様がラインナップから落ちた。同時にRスポーツというトリムグレードもなくなった。前期型に乗っている身としては、嬉しい変更ではない。

かわりに追加となったのが、4輪駆動のRダイナミック。2.0Lのインジニウム・ガソリンターボ・エンジンは、300psを発生する。ボディデザインには手直しが入り、豪華さも増している。

マイナーチェンジで得た嬉しい変化

エグゾーストやサイドスカートなどにも手が加えられ、ホイールは目を引くダイヤモンドカットが施された、10スポークの20インチを履いている。マイナーチェンジを受けたことで、見た目はグッとスポーティになり、華やかさも増したと思う。

車内の雰囲気は明るくなった。光を反射する金属製部品が増え、内装に用いられている素材も良くなっている。シフトレバーが復活し、情報モニターがダッシュボード下部に追加されているところも歓迎できる部分だ。

ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)
ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)

動的性能にも嬉しい変化があった。ロードノイズがクラス平均まで静かになり、我慢の必要がなくなったのだ。連続しての長距離も不満なく走れるだろう。

乗り心地も大きく向上。ステアリング精度や姿勢制御に悪影響を及ばさず、路面のうねりや剥がれた部分を上手になだめて走ってくれる。4輪駆動化で50kgほど車重が増えていることも、フラットさを加え、良い影響を与えているようだ。

大人2人での長距離ドライブもぐっと快適なものとなったはず。リアシートは、英国人の体格なら、中学生くらいまでの子供に向いている。

後輪駆動のXEでは、路肩から素早く加速しようとしたときなど、ホイールスピンをすることがあったが、4輪駆道ならその気配もない。グッドウッド・ミーティングなど、湿った芝生にクルマを停めても、充分なトラクションが得られるはず。

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