【マイナーチェンジ後こそ本来の姿】ジャガーXE 2.0(最終回) 長期テスト

公開 : 2020.02.16 11:50

ジャガーのエントリーモデルとなる4ドアサルーンがXEですが、アウディA4やBMW 3シリーズには押され気味。最終回を迎える今回は、マイナーチェンジ前後の比較を中心に、これまでの印象を振り返ります。

積算1万6949km マイナーチェンジを受けたXE

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

マイナーチェンジにあわせて、後輪駆動のXE200と交代としてXE300が加わる。同じエンジンながらターボ過給を高め、車重は50kg増し。だが、200と比べて、300がとりわけ速くなったとは感じれれなかった。

エクステリアもインテリアもデザインは良くなっている。コーナーでのバランスも良好で、トラクションも高い。乗り心地は高級感を増した。ロードノイズもだいぶ静かになった点も素晴らしい。

ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)
ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)

積算1万7352km 順調に進むタイヤの摩耗

クルマの経年変化は、運転の仕方で大分違いが現れるが、200psのXEはタイヤの摩耗が良好に進んでいる。タイヤの空気圧をこまめに測っていることが大きいだろう。まだまだ溝は充分に深い。

おそらくこのまま行けば、リアタイヤは3万2000kmくらい、フロントタイヤは4万kmくらいは保ちそうだ。

ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)
ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)

積算1万7548km マイナーチェンジ前後の比較

モデル中期のマイナーチェンジが施される中で、前期モデルのジャガーXE Rスポーツを長期テスト車として走らせてきた。珍しいタイミングだったと思う。

前期モデルのXEを今の時期に選んだ理由はいくつかあった。そもそも良いクルマにも関わらず、あまり話題に登ることがなかったこと。前期モデルに見られた改善希望点が、マイナーチェンジでどれだけ良くなるのか。ジャガーはどのような変化を与えるのかにも興味があった。

優れているものの、気になる点もいくつか

そこで今回、長期テストと並んで、新しいスペックのXEを用意してもらった。最終回の比較をするために。初期のXEはとても良いクルマだったものの、多少残念な部分もあったことは筆者も理解している。

クルマを構成するプロポーションが良く、スポーティ。サスペンションの設計は素晴らしく、正確なハンドリングと印象的な上質さを生んでいる。運転して心地良い。

ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)
ジャガーXE 2.0 Rスポーツ(マイナーチェンジ前・欧州仕様)

だが、ボディデザインは少し単調でもあった。強いインパクトがあるわけでもなく、フロントマスクも特別感が弱い。

世界的にコンパクト・プレミアムサルーンの需要が小さくなる中で、XEの立ち位置は難しいものになった。アウディA4メルセデス・ベンツCクラスBMW 3シリーズをライバルに戦うだけではない状況になってしまった。目標とした販売台数も高く、これまで届いてはいない。

それでも初代XE Rスポーツの印象は良いものだった。これまで1万5000km程を、あっという間に快適に走破してくれた。

ジャガーXEは編集部でも人気の1台となった。充分に速く、扱いやすく、燃費も良好。コンパクトだから駐車もしやすい。一方で、ボディデザインは別として、ロードノイズと乗り心地という指摘せざるを得ない点も、認めなくてはいけない。

特にロードノイズは、ジャガーXEの株を大きく下げている。少なくとも、オプションの19インチ・ホイールではうるさい。以前、妻と一緒に休暇を利用してXEで旅行に出かけたのだが、ロードノイズがあまりにもうるさく、行程を短くしてしまったほど。

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