ロードテスト フォード・プーマ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2020.04.04 08:50

操舵/安定性 ★★★★★★★★★★

明らかにこのプーマは、デザイナーの仕事が終わる前に、ハンドリングについての検討が行われたクロスオーバーハッチバックだ。このクラスのライバルの多くより、ルックスは低く構えてスポーティ。走りの開発過程では、シャシーエンジニアたちに大きなアドバンテージが与えられたのは間違いない。

それを差し引いても、彼らの仕事ぶりはみごとだ。本当に魅力的な走りを実現するのに苦戦しているライバルたちとの差は、あまりにも明確だ。

コーナリングはシャープでしなやか。クロスオーバーとしてはかなり走りに熱中できるモデルだ。
コーナリングはシャープでしなやか。クロスオーバーとしてはかなり走りに熱中できるモデルだ。    MAX EDLESTON

テスト車は、とくにスポーティ路線に振ったスペックではない。タイタニウムというグレードには、上位のSTラインのようなローダウンしたスポーツサスペンションが備わらない。グリップの余力が大きい17インチのタイヤも履いていない。

それでも、横方向のボディコントロールとシャシーのレスポンスはどちらも秀逸。ステアリングは、ほどよく身の詰まった手応えで、フィールは歯切れよく鋭いのだ。

ドライビングポジションの高さはほどほど。しかもハンドリングは、鋭く、ムラがなく、俊敏で熱中できるので、本当にクロスオーバーに乗っているのか疑問に思えてくるほどだ。

アペックスに向けて綺麗な弧を描き、飛ばして荷重がかかっても安定した走りとシャシーバランスを保つ。どちらの点でも、バランスのいい、スポーティなハッチバックのようにコーナーを駆け抜ける。

電子制御トラクションコントロールとスタビリティコントロールは徐々に介入し、効きはじめも無理に押さえつけるようなものではない。

ただし、トラクションコントロールはオフにできるが、スタビリティコントロールは常時オン。滅多にないが、シャシーのポテンシャル限界までグリップを使って思い切り楽しんでいると、楽しみを邪魔しはじめるのが惜しまれる。

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