【最高の小型ハッチバックを探せ】スーパーミニ・メガテスト 勝利のカギは全方位の魅力 9位〜7位

公開 : 2020.05.16 16:50  更新 : 2021.03.19 11:28

捲土重来を期待

その結果、確かにこのクルマのキャビンスペースは広々としたものになっているが、はるかに新しいライバルたちは、ヤリスのようなボディデザインを採用することなく、同程度の室内空間を確保することに成功している。

ダッシュボードのデザインも時代遅れと言わざるを得ず、このクルマのキャビンは大量の無機質なハードプラスティックと高級感の感じられないマテリアルで溢れている。

室内に使われているマテリアルには質感が欠けており、テクノロジーも時代遅れだ。
室内に使われているマテリアルには質感が欠けており、テクノロジーも時代遅れだ。

インフォテインメントシステムも同じく時代遅れであり、このクルマではオートヘッドライト機能も標準装備には含まれていないが、キーロックでつねに自動消灯してくれるだけで満足すべきなのかも知れない。

だが、2020年に新車として売られているクルマでマニュアルヘッドライトとは、まるで1992年に時計の針が戻ったかのようだ。

乗り心地はそれなりにロードノイズが抑え込まれているものの、他のモデルと比べれば明らかに洗練が足りないと言わざるを得ない。

自然吸気直列4気筒エンジンはトルクが足りず、そのサウンドも力強さに欠けるため、走りそのものにも活気が感じられない。

コーナーではいきなりロールし、重心の高いクルマを運転しているということをすぐに意識させられる。

それでも、実際の路上での燃費性能は決してライバルたちに引けをとっておらず、同様にバリュー・フォー・マネーなモデルであることは間違いない。

トヨタには是非次回メガテストでの捲土重来を期待したい。

8位:日産マイクラDIG-T 117 N-スポーツ

日産マイクラのスペック

確かに人目を引くルックスではあるが、洗練と実用性、そして多くの点でパフォーマンスに欠けている。残念ながら、このクルマは本来あるべき小さなドライバーズカーにはなっていない。

価格:1万9010ポンド(255万4000円)
標準個人リース契約月額:250ポンド(3万3600円)(デポジット:2000ポンド/26万9000円、走行距離:3万9000km/3年間)
販売:販売中
エンジン:999cc直列3気筒ターボ
パワー:117ps/5250rpm
トルク:20.5kg-m/1750-3750rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1100kg
0-100km/h加速:9.9秒
最高速:195km/h
燃費性能:17.0km/L(WLTP基準)
テスト時燃費:15.6km/L
WLTP基準CO2排出量:未公表
標準後席レッグルーム:630mm
後席ヘッドルーム:870mm
トランク全長/全幅:660mm、1000mm

見掛け倒し?

後席に大人ふたりを乗せる必要があるのであれば、ヒュンダイとトヨタの2台がベストな選択肢だ。一方、もっともタイトな後席ヘッドルームを持つのがマイクラであり、レッグルームではプジョーが最下位となった。
後席に大人ふたりを乗せる必要があるのであれば、ヒュンダイとトヨタの2台がベストな選択肢だ。一方、もっともタイトな後席ヘッドルームを持つのがマイクラであり、レッグルームではプジョーが最下位となった。

スポーティーなのは見た目だけのこのNスポーツが、今回唯一日産から借り出すことの出来たマイクラだった。

見掛け倒しで高価なプライスタグを掲げたモデルを参加させることで、日産を陥れようとしたわけではなく、以前のテストでは注目に値する十分な価値を示してくれた現行マイクラだったが、それは正しいスペックを選んだことが理由だったのかも知れない。

相変わらずこのクルマのルックスはモダンで特徴的なものに見えるが、2016年のパリモーターショーで初公開されて以来、スーパーミニの市場にどれほど多くのニューモデルが登場したかを考えれば、それだけで素晴らしいと言えるだろう。

ダークフィニッシュ仕上げの17インチアルミホイールと、車高を下げたスポーティーさが注目を集める一方、確かに後席スペースは犠牲になってはいるものの、その奇抜なデザインのキャビンは、少なくとも質感においてライバルたちに引けをとるものではない。

Nスポーツの名と約1万9000ポンド(255万2000円)というプライスタグによって、このクルマが今回集まったなかでもっともドライバーとの繋がりを感じさせてだろうと思うが、実際にはドライバーアピールの面で、より優れたダイナミクス性能を備えたモデルに近づくことさえ出来ていない。

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