【最高の小型ハッチバックを探せ】スーパーミニ・メガテスト 勝利のカギは全方位の魅力 6位〜4位

公開 : 2020.05.16 20:50  更新 : 2021.03.19 11:28

4位:プジョー208ピュアテック100アリュール

プジョー208のスペック

ある意味ではクラスを越えた1台であり、ステアリングを握っても高級さを感じるが、ライバルたちを凌駕するためとは言え、あまりにも多くの面でスタイルを優先し過ぎている。

価格:1万8850ポンド(253万2000円)
標準個人リース契約月額:268ポンド(3万6000円)(デポジット:2000ポンド/26万9000円、走行距離:3万9000km/3年間)
販売:販売中
エンジン:1199cc直列3気筒ターボ
パワー:100ps/5500rpm
トルク:20.9kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1090kg
0-100km/h加速:9.9秒
最高速:188km/h
燃費性能:16.5-18.8km/L(WLTP基準)
テスト時燃費:15.8km/L
WLTP基準CO2排出量:未公表
標準後席レッグルーム:610mm
後席ヘッドルーム:910mm
トランク全長/全幅:660mm、1010mm

素晴らしいアイデア?

ペダル周りが窮屈なiコクピットは、まるで失敗した実験のようだ。
ペダル周りが窮屈なiコクピットは、まるで失敗した実験のようだ。

知り合いのなかには歌が得意だと思っている人間が必ずいる(誰がそうか分からなければ、目の前にマイクを置いてみれば良い)。

そんな彼らは、数年前、フィリピンのアンヘレスでカラオケ大会を開いているが、親切にも周囲のひとびとはその歌がどれほど酷いかを教えてくれたのだった。

だが、いまや彼らはそれが天からの啓示だったと思っているようだ。

そして、もう歌うなと言われる度に、彼らはますます意固地になり、ボイストレーニングを受けたり、バンドに入ったり、挙句の果てには英国の公開オーディション番組、XファクターのNG集に出演したりするまでになっている。

もはや彼らには何も言うことがない。

つまり、これがプジョーのiコクピットであり、試験的にこのコンセプトを採用したプジョーのもとにはさまざまな反応がもたらされたが、彼らは繰り返される批判的な声は無視することにして、iコクピットとは素晴らしいアイデアだと判断したのだ。

この新型208でプジョーは単にデジタル化を進めるだけでなく、それを高く設置したメーターナセル(映画「ショート・サーキット」に出て来るロボット、ジョニー5のようだ)に組み合わせ、スピードメーターには立体表示まで採用している。

だが、残念にもこの立体表示を見ただけで、目の調子がおかしくなってしまったので、実際どれほどの視認性を備えているのかはお伝えすることが出来ないが、コーナーリング中であれば、こうした計器類の操作がどれほど煩わしいものかはよく分かっている。

問題は基本的要素にあり

さらに、視認性よりもデザイン性を優先したことが明らかなこのクルマのインストゥルメントは、確かにショールームでは魅力的に映るだろうが、日常の使い勝手においては他のモデルほど優れたものだとは言えないだろう…。

だが、一概にそうだとも言い切れないのだ。

スーパーミニメガテスト
スーパーミニメガテスト

正直に言おう。

このクルマは非常に愛らしいルックスをした高級で魅力的な、そして実に好ましいスーパーミニなのだ。

キビキビとしたハンドリングと、同じEMPプラットフォームを共有するコルサよりも滑らかで静か、そして落ち着いた乗り心地と、優れたパフォーマンスをも備えている。

独特なルックスの小径ステアリングに組み合わされるのは非常にスローでダイレクトさに欠けたラックだが、やや奇妙なレイアウトのスイッチ類に一旦慣れてしまえば、直観的なドライビングを行うことが出来る。

それでも、こうしたスイッチ類のレイアウトと、細かな熟成不足こそが、なによりも208にとっての問題だった。

足元の狭さとクラッチペダル周辺の窮屈さ、フィールが曖昧でオーバーアシスト気味なブレーキ、ペダルに合わせるとステアリングが遠くなるドライビングポジションなど、プジョーがビジュアル面の魅力を引き上げよう努力した一方、少なくともクルマとしての基本要素にあまり注意を払っていないことは明らかだ。

そして、いまや近しいライバルたちがまったく異なる優先順位でクルマ造りを進めている以上、こうした点を無視するわけにはいかないだろう。

セカンドオピニオン:プジョー208

208の特徴的なダッシュボードレイアウトには意見が分かれるだろうが、実際よりもキャビンを広く見せる効果は発揮しており、間違いなくビジュアル面ではほとんどのライバルを上回っている。

それでも、タッチスクリーンよりも直観的な操作が可能なはずだが、その操作方法は分かりづらい。

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