【ダットサン240Z】日産の放った初回ホームラン フェアレディZ 前編

2020.05.17

フロントサスはローレル1800から流用

才気あふれる開発チームが仕事に取り掛かったのは、1965年11月。魅力的なクラシック・クーペとして、実用的なボディサイズとクリーンでモダンなフォルムを模索した。スタイリングが最優先のプロジェクトだった。

日産の植村齊や紅谷恒雄、鎌原秀美たちが手掛けたクレイモデル(デザイン決定用モデル)は、内包するメカニズムとの整合性が確認される前に、社内了承が出たほど。その後、数多くの障害に直面するのだが。

ダットサン240Z(日産フェアレディZ・S30型/1969年−1973年)
ダットサン240Z(日産フェアレディZ・S30型/1969年−1973年)

いくつかの部品は既存モデルから流用された。マクファーソン・ストラット式のフロントサスペンションと、フロントのサブフレームは、ローレル1800サルーンから持ってきた。

リアサスペンションの決定には、検討が重ねられた。最終的にロータス風の、A形状のロワーアームと直立するストラットを持つ構造が選ばれた。

優れたロードホールディング性を実現させていたが、ねじり剛性は不足気味だった。開発要件として、荷室にはフルサイズのスーツケースが2個入る必要があり、ストラット上部をつなぐことは難しかった。

シャシー剛性を高めるため、補強材の設計に多くの時間を費やした。後に社外品として、ストラットブレースが用意されることにもなる。

主要市場は北米ということで、現地の衝突安全規制と排気ガス規制に伴う車重制限も、常に意識していた。開発後半には車重を2300ポンド(1043.3kg)に収めるため、燃料タンクを70Lから60Lへと変更している。

 
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