【活発で快適、親しみやすい】新型 メルセデス・ベンツGLA 220dへ試乗 

公開 : 2020.05.27 10:20  更新 : 2020.06.19 09:21

新しいGLAの中でも上位のディーゼルとなる、220dへ英国編集部が試乗しました。燃費は17.7km/Lを超え、快適性や運動性能など一般道でのマナーは先代以上。Aクラス・ハッチバックより高い実用性も魅力です。

ライバルよりクロスオーバーらしい風貌

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2代目メルセデス・ベンツGLAが登場した。初代は、予算上の理由からか、Aクラスのハッチバックをベースにしていた。肉付けされた見た目が与えられても、その事実は明らかだった。

一方の新しいGLAは、エンジニアリング上の制限が少なかったようだ。初代と比べると、説得力もはるかに高い。

メルセデス・ベンツGLA 220d 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLA 220d 4マティック(欧州仕様)

世代が新しくなるほどボディは大きくなるのが一般的だが、2代目GLAは、全幅と全高は大きくなったものの全長は短くなった。最大のライバルとなる、BMW X2アウディQ2と並ぶと、明らかにクロスオーバーらしい風貌を持っている。

1ヶ月ほど前、ガソリンエンジン車としてトップグレードとなるGLA 250に試乗したが、素晴らしい印象を受けた。今回試乗するのは、ディーゼル版の220d。英国では2種類用意されるディーゼルエンジンの中で、パワフルな方だ。

搭載されるのは、OM654型と呼ばれる2.0L 4気筒ユニット。多くのメルセデス・ベンツのクルマに選ばれているもので、最高出力190psと最大トルク40.7kg-mを発生する。

クラス標準以上のパワーを持ち、GLA 200dと比べると40psと7.7kg-mたくましい。ちなみにエンジンは同じで、設定による違いとなる。

ライバルがいないほどの力持ちではない。アウディQ2 2.0 TDIに搭載されるエンジンは、数字上では同等の性能を得ている。

活発なエンジンと操縦性に優れるシャシー

トランスミッションはメルセデス・ベンツ製の8速AT。ハイパワー版の220dの場合、新開発の4マティックと呼ばれる四輪駆動を採用する。油圧式ではなく電気機械式による制御で、より確かな前後間でのトルク分配を行う。

必要に応じて最大80%のトルクを前輪へ回せ、後輪へは70%を割り当てられる。前後で50:50が保持される、オフロード・モードも備わる。

メルセデス・ベンツGLA 220d 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLA 220d 4マティック(欧州仕様)

メルセデス・ベンツGLA 220dを走らせてみる。ディーゼルらしい潤沢なトルクと4マティックにより、とても柔軟性があり活発。市街地でも郊外の開けた道でも、走りやすい。

ドライバーが惹きつけられるような性格ではないものの、ディーゼルらしいカラカラ音は皆無。最新の4気筒ユニットは、扱いやすい動的性能を生み出している。

こちらも新しいトランスミッションは、段数によるギア比の幅が広い。力強いスタートダッシュから、穏やかな高速巡航までを引き受けてくれる。

電動パワーステアリングの軽快で正確な感触と、ボディロールが抑制された姿勢制御で、操縦性も引き上げられた。この手のクロスオーバーとしては、優れていると呼べるものだ。

グリップ力やトラクションにも不足はない。ドライバーが得るフィードバックは濃くはないが、全体的なまとまりは良く、操作系の重み付けにも一貫性がある。GLA 220dの運転が、親しみやすく感じられる要因でもある。

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