【詳細データテスト】アウディA8 ハイブリッドの制御、みごと 乗り心地はクラス水準に届かず

2020.06.28

サマリー

アウディA8に加わった先進技術満載のハイブリッドは、近く登場する新型Sクラスを迎え撃つ強力なライバルかと期待しましたが、これが見込み違い。高級サルーンで重要な乗り心地に、無視できない問題がありました。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
内装 ★★★★★★★★☆☆
走り ★★★★★★★★★☆
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
操舵/快適性 ★★★★★★☆☆☆☆
購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆
スペック
結論 ★★★★★★★☆☆☆

はじめに

第4世代のA8が、アウディの最新スーパーサルーンとして、またテクノロジー面のフラッグシップとして登場してから、およそ3年が経過した。しかし、これまでロードテストの遡上に載せる機会はなかった。今週、いよいよその状況が変わる。

とはいえ、年内にはメルセデス・ベンツがSクラスをフルモデルチェンジする見通しだ。今回のテスト結果がどうなろうと、この巨大で見栄えのみごとなアウディが前途多難であることに変わりはない。


これからテストの模様をお伝えするのは、A8の32年にわたる歴史においてはじめて、プラグインハイブリッドパワートレインを積んだバージョンとなる60 TFSIe クワトロだ。

現行A8はすでに、数多くの先進技術を導入している。自動運転は、同一車線内での速度調整や進路操作ができるレベル3を達成。アクティブサスペンションは前後左右のストロークを予測し、各輪に配したアクチュエーターで独立制御して不整路面でもスムースな乗り心地を実現する。

これらの運用は、最新の制御システムであるzFASと、車体の各部に散りばめられた24ものセンサーとカメラがあればこそ。それらはいわば、クルマに与えられた頭脳と感覚器だ。

予測制御は、自動運転や乗り心地改善にとどまらない。衝突が予測される場合にぶつかるである側の車高を上げ、ドアより丈夫なサイドシルで対象を受け止めるなどという芸当も可能にするのだ。そしてどれも、小手先の開発で実用化できるようなものではない。

そうした革新的テクノロジーに加えて、今回のA8には高性能なパワートレインが備わっている。ガソリンユニットと電気モーターを組み合わせ、巧妙にコントロールするハイブリッドシステムだ。

とはいえ、Sクラスの牙城に挑もうというサルーンに必要な基本要件は、そうしたハイテクではない。世界的にみて屈指の静粛性や、抜群に洗練された乗り心地だ。

A8はいまだかつてこの強力なライバルを脅かすに至ったことはなく、しかしインゴルシュタットの面々はそれを熱望しているに違いない。2020年半ばにあって、アウディの旗艦モデルの現在地は、どこまでシュツットガルトの金字塔に近づくことができているのだろうか。

 
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