【従来以上に刺激的】次期BMW M3 プロトタイプへ試乗 480psの新エンジン採用 前編

公開 : 2020.07.06 10:20

ミュンヘン製ハイパフォーマンス・サルーンの代表、M3の最新世代が間もなく誕生します。英国編集部は、開発途中の次期M3プロトタイプへ試乗する機会を得ました。その刺激的な走りには、深い感銘を受けたようです。

次期BMW M3とM4の発表は2020年9月

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ドイツでも新型コロナウイルスの影響は小さくなかったが、BMW Mディビジョンの歩みを鈍らせることはなかった。次期M3とM4を2020年9月に発表し、年内中に生産と販売を開始するという計画に変更はないようだ。

発表まで数ヶ月。開発を終了させ、BMWの取締役会で量産の承認を得なければならない。そんな忙しいさなか、AUTOCAR英国編集部は、次期BMW M3とM4のプロトタイプへ試乗する機会を得た。

BMW M3 プロトタイプ
BMW M3 プロトタイプ

分厚いカモフラージュをまといつつ、かなりの距離を走り込んでいる次期Mモデルのテスト車両。ドイツ東部、ザクセンリンク・サーキットにたどり着くまでに、厳しい試験が繰り返されてきたのだろう。

自動車として、最新の技術水準を獲得していることは間違いない。ボディには彫りの深いキドニーグリルと、膨らみを増したフェンダーパネル。広げられたトレッドいっぱいに、シリアスなデザインのホイールとタイヤが収まっている。

掲載が許された写真からは、その姿を想像してもらうしかないが。

ザクセンリンクのピットレーンに佇む、次期M3とM4。低く身構えたようなフォルムで、少し特別なクルマだということがひと目でわかる。ボディサイズは5代目のF80型M3や、初代F82型M4と比べて、かなり大きくなっている。

次期モデルはセダンとクーペとで、カタチもだいぶ違う。車高の低いM4に対し、M3の方は全体的に高さがある。

標準で480ps、コンペで510psを獲得

ボディスタイルはこのほかに、2021年半ばまでにM4のカブリオレと、初めてとなるM4グランクーペも登場予定だ。また最近のBMW Mモデルの戦略に習って、M3とM4の両方へコンペティション仕様の追加も計画されている。

約束された性能は、四輪駆動のM340i xドライブやM440i xドライブを凌ぐ。3シリーズと4シリーズの頂点を飾るために。

BMW M3 プロトタイプ
BMW M3 プロトタイプ

M3もM4も、ボンネットに収まるのはMディビジョンが開発した新しいS58ユニット。ツインターボで加給される3.0L直列6気筒エンジンで、長く用いられてきたS55ユニットの後継型だ。

標準モデルの最高出力は480ps、最大トルクは61.1kg-m。現行型と比べると、29psと5.1kg-mの増強となる。

英国へ導入されるクルマの場合、標準の後輪駆動のM3とM4には6速MTか、トルクコンバーター式の8速ATが用意される。どちらにも、電子制御されるMスポーツ・デフが組み合わされる。

M3とM4のコンペティション仕様では、ソフトウエアに変更を加えることで30psを上乗せ。最大トルクは変わらないが、510psを獲得するという。この最高出力は、ライバルモデルに並ぶ数字となる。

ただし、標準のM3やM4とは異なり、コンペティション仕様で選べるトランスミッションは、8速ATのみ。伝統を破るように、四輪駆動のxドライブもオプションで選択できるようになるそうだ。M3やM4が後輪駆動ではなく、四輪駆動を獲得するのは次世代が初となる。

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