【華やかに着飾ったカブリオレ】VWカルマン・ギアとルノー・フロリード 後編

2020.07.11

サマリー

同時期に誕生した、VWカルマン・ギアとルノー・フロリードは、カブリオレとして同じ理想を描いたクルマ。カロッツェリアが生み出した美しいボディを持ちつつ、知名度は大きく異る2台を、英国編集部が試乗しました。

もくじ

見た目によらず非力なエンジン
オープンでゆったりと流すのには丁度良い
大きく異なるステアリングフィール
美しいボディが多くの人を惹きつける
カルマン・ギアとフロリードSのスペック

見た目によらず非力なエンジン

text:Chris Chilton(クリス・チルトン)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ルノー・フロリードのフロントガラスは立ち気味で、シートは肉厚で快適。スポーツカーというより、グランドツアラーっぽい。だが社外品のステンレス製のエグゾーストに交換され、かなり刺激的なサウンドが響く。クルージングに求める以上のボリュームだ。

シフトノブは長く、変速フィールはトラックのもののように粘りがある。4速MTはこのモデルでは標準装備になっていたが、1速にシンクロはない。変速操作自体は軽く、わずかな力でシフトアップできる。

フォルクスワーゲン・カルマン・ギア/ルノー・フロリードS
フォルクスワーゲン・カルマン・ギア/ルノー・フロリードS

リアタイヤの間に収まるのは、956ccの4気筒エンジン。初期のフロリードは、ドーフィン譲りの845ccエンジンを積んでいた。最高出力は37ps。バルクヘッドに設置されたラジエーターへは、ボディ下面のくぼみから直接風を当てる、機能的な設計が施してある。

1962年になるとフロリードにはSが付き、5ベアリング・クランクとオーバーヘッド・バルブを備えるシエラ・エンジンへと置き換えられる。ルノー8に搭載されたユニットで、最高出力は45psへ高まった。

パワーアップしたとはいえ、他のモデルも増強が進む中では、目立った性能ではなかった。エンジンは回りたがりでレスポンシブ。驚くほどスムーズだ。排気量の割にボディは大きいから、現代の交通に付いていくには努力がいる。

オーナーのトニー・ナピンはこのフロリードを気に入っているが、もう少しパワーが欲しいなら、1964年以降の1108cc版を探すこともできる。それでも55psだったから、スポーツカーと呼べる動的性能は得られないのだが。

 
最新試乗記

人気記事