【ファリーナ・ボディのクーペ】1台限りのロールス・ロイス・シルバー・ドーン 後編

2020.07.12

サマリー

ピニンファリーナがスタイリングした、珍しいロールス・ロイスが存在します。しかし価値が認められにくく、長期間にわたって所在不明でした。イタリアの富豪がオーダーした、1台限りのシルバー・ドーンをご紹介しましょう。

もくじ

現行のレイス・クーペへも影響を与えた
静かで艷やかなストレート6
70年の時間を感じさせない佇まい
安住できるオーナーと出会えるのか
ロールス・ロイス・シルバー・ドーン・ピニンファリーナ(1951年)のスペック

現行のレイス・クーペへも影響を与えた

text:Martin Buckley(マーティン・バックリー)
photo:James Mann(ジェームズ・マン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
筆者が最初にピニンファリーナ・ボディのシルバー・ドーンを目にしたのは、2019年。英国バーリーハウスで開かれた、ロールス・ロイス・エンスージァスト・クラブの会場だった。

巨大なボディのロールス・ロイス・ゴーストやファントムの中で、少し紛れるように停まっていた。それでも、間違いなく魅了する雰囲気を放っていた。コンパクトだが、威厳を漂わせていた。

ロールス・ロイス・シルバー・ドーン・ピニンファリーナ(1951年)
ロールス・ロイス・シルバー・ドーン・ピニンファリーナ(1951年)

シルバー・ドーンは、コンチネンタルほどの強い優雅さはたたえていないが、強い個性がある。サルーンボディのドーンは、姿勢正しくフォーマルな雰囲気だが、クーペは低く官能的。どこか都会的でもある。

長く姿をくらませていたピニンファリーナ・ボディのシルバー・ドーン。ロールス・ロイスは、現行のレイス・クーペのデザインへ影響を与えたことを認めている。

ボディ後半のなだらかに傾斜するルーフラインは、同じピニンファリーナが手掛けた、ランチア・アウレリアB20にも似た処理。バンパーは別注品が付いているが、標準のものへ戻すこともできるそうだ。

スピリット・オブ・エクスタシーがひざまずくフロントグリルは、手が加えられていないように見える。ボンネットの開き方も、当時のロールス・ロイスと共通。ボディを覆う優雅なラインと装飾は、当時のファリーナによって特別に仕立てられた。

 
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