【世界で最も売れるSUVの1台】ホンダCR-V(1) ハイブリッド版を長期テスト

2020.07.12

サマリー

世界で最も売れているSUVの1台が、ホンダCR-V。5代目も従来どおり快適で洗練され、車内は広々。一方で新しくハイブリッドを獲得したことが特徴です。期待通りの仕上がりなのか、長期テストで英国編集部が確認します。

もくじ

初回 新スタイルのSUVとしてのパイオニア
2.0L 4気筒に2モーターのハイブリッド
エントリーグレードでも装備は充実
初代同様の存在感を示せるか
セカンド・オピニオン
テストデータ

初回 新スタイルのSUVとしてのパイオニア

text:Mitch McCabe (ミッチ・マッケイブ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
初代ホンダCR-Vが登場したのは1995年。現代的な新スタイルのSUVとして、パイオニア的な存在だった。

必ずしも四輪駆動である必要がないユーザーに対し、SUVへ求める不足ない実用性を与えてくれた。当時のCR-Vの荷室床面はピクニック・テーブルになったり、テールゲートを開けて、12Vソケットからシャワー用ポンプを動かすことも可能だった。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)

異彩を放っていたのが、無骨なオフロード・モデルではなく、乗用車に似たドライビング体験を得られたこと。トヨタRAV4やランドローバー・フリーランダーも同様だ。

初代の登場から25年。5代目へと進化を続けてきたホンダCR-Vは、世界で最も売れているSUV、という称号も獲得。SUVらしいボディサイズと使いやすいインテリア、走りの面でも妥協のないブレンドが、SUV人気の急速な高まりを後押してきしたといえる。

今回の長期テストでは、AUTOCARのビデオクルーにも積極的に利用してもらおうと考えている。CR-Vの荷室はビデオ機材でいっぱいになり、何度も機材の積み下ろしが繰り返されることになる。

ビデオクルーは、ロンドン南西部のAUTOCARの事務所から、全国のロケ地へ機材を積んで遠征する。長距離移動の中で、CR-Vの実用性や快適性、経済性もしっかり確かめられるはず。

発売当時、ライバルは数える程度だったCR-V。現在比べられるモデルは、無数にある。

2.0L 4気筒に2モーターのハイブリッド

新型で注目すべきは、ハイブリッド・システムを獲得し、アドバンテージを保とうとしていること。長期テストでは、ハイブリッドの実力も含めて、CR-Vで得られる体験をレポートしたい。

今回選んだのは、ホンダCR-Vの2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVTと呼ばれる英国仕様。ちょっとわかりにくい名称だ。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)

ハイブリッド仕様のCR-Vには、2基の電気モーターでアシストされる2.0Lの4気筒ガソリンエンジンが搭載されている。エンジンは、熱効率に優れるアトキンソンサイクルを採用。ハイブリッド化による燃費性能を、さらに引き上げる目的があるはず。

組み合わされる2基の電気モーターのうち、1基はクルマを走らせるため。もう1基は発電するために機能する。

特に燃費は、フォトグラファーも重視する大切な要素。毎年赴く、英国西部のスノードニア国立公園までのロケでは、メーカー値の13.7km/Lという燃費を超えることができるだろうか。

ガソリンエンジンと電気モーターのパワーは、CVTを介して四輪へと伝えられる。トラクションの不足や急な傾斜地などを判断し、前輪と後輪へ伝えるトルクの割合を電子制御してくれる。日常の運転で優先されるべきは、滑らかなドライビング体験だ。

四輪駆動とCVT、SUVという組み合わせがどんな仕上がりなのか、とても興味深い。

エントリーグレードでも装備は充実

i-MMDとは、ホンダのインテリジェント・マルチモード・ドライブ・システムの略。エコノミー、ノーマル、スポーツ・モードを備える、ハイブリッド・システムだ。

エコノミー・モードでは、ステアリングホイール裏のシフトパドルを用い、減速時のエネルギー回生量を調整できる。電気モーターのみか、エンジンのみか、ハイブリッドか、選択しているモードやアクセルペダルの開度を判断して、動力源を自動で制御してくれる。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)

AUTOCARの立体駐車場では、電気の力のみで走行できた。一方で英国東部、ノーフォークへのテストドライブでは、エンジンと電気モーターが協働して走る場面が多かった。

従来的な自動車に思われがちな見た目のCR-Vだが、印象深いドライビング体験を提供してくれた。今後かなりの距離を走ることになるが、印象の変化も気になるところ。

トリムグレードは、英国ではSRと呼ばれるもので、装備は充実している。シートヒーターに電動ランバーサポート、キーレスエントリー、9スピーカーのサウンドシステムも付いている。

インフォテインメント・システムは7インチのタッチモニターで、バックカメラも搭載。スマートフォンのミラーリング機能と、ブラインドスポット警告機能もエントリーグレードから装備されている。

長期テスト車で選んだオプションは、プレミアム・クリスタル・レッド塗装のみ。価格は850ポンド(11万円)だ。車両価格は3万4470ポンド(455万円)から、オプション分だけ、3万5320ポンド(466万円)へ若干増えている。

初代同様の存在感を示せるか

ライバルとの価格差も気になるところ。ただし、CR-Vはユニークな立ち位置にはある。現在英国で選べる、PHEVではないハイブリッドを搭載したミドルサイズのSUVとなると、トヨタRAV4くらい。

PHEVを加えると、ボルボXC60やXC90、三菱アウトランダーPHEVといったモデルが並んでくる。でも、価格的なライバルにはならないだろう。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)

ハイブリッドによる優れた経済性で、従来的なSUVに勝る訴求力を問う5代目ホンダCR-V。都市部を意識した、1995年の初代と似た立ち位置にあることは変わりない。パイオニア的なモデルとして存在感を示せるのか、じっくり検証してみたい。

セカンド・オピニオン

わたしはスムーズで適度にパワーもある、ハイブリッド・システムが好きだ。CR-Vのハイブリッドはライバルのものより洗練され、SUVらしいリラックスしたドライビングにも向いている様子。

先日の運転では、ホンダのカタログ燃費を実際に超えることもできた。ただし、インフォテインメント・システムのできは良くない。時代遅れといわざるを得ないだろう。 Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

テストデータ

テスト車について

モデル名:ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
新車価格:3万4470ポンド(455万円)
テスト車の価格:3万5320ポンド(466万円)

オプション装備

プレミアム・クリスタル・レッド塗装:850ポンド(11万円)

テストの記録

燃費:14.6km/L
故障:なし
出費:なし

 
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