【詳細データテスト】 ベントレー・フライングスパー F40と同等の加速 期待以上のハンドリング 快適性には注文あり

公開 : 2020.07.25 11:50

現代版フラインスパーの3代目は、ミュルザンヌの退役で実質的な旗艦モデルに。高級サルーン市場には希有なドライバーズカー志向のハンドリングはブランドの伝統を感じますが、快適性には改善の余地がありました。

はじめに

この3代目となる新型のベントレーフライングスパーは、これまでのモデルより証明すべきことが多い。取り巻く環境も厳しさを増している。

新型コロナのパンデミックが多くの国々にダメージを与え、グローバル市場を揺るがし、世界は五里霧中にある。この状況は当分続きそうで、ベントレーのような高級車メーカーは大きな影響を受けそうだ。

世界経済は綱渡りを続けていて、高級車需要に対するダメージが本当はどの程度なのかわかるにはしばらくの時間がかかるだろう。この新型コロナ危機に伴うさまざまな問題の中で、そのプライオリティはそれほど高くないかもしれない。だが、新型の高級サルーンを発売するには、あえて書き記すまでもないほどのバッドタイミングだ。

新型フライングスパーを迎えるベントレーの商品ラインナップも、なかなか挑戦的だといえる。最上級サルーンのミュルザンヌが最近になって生産終了され、クルーにおけるトラディッショナルな4ドア車はフライングスパーのみ。実質的なフラッグシップも、このニューモデルが務めることとなった。

先代までの2番手という位置づけの制約が取り除かれたことで、言い訳もできなくなった。ベントレーとしてベストだと認められる魅惑的な走りをしなければならないのはもちろん、その走りの洗練性やキャビンの快適性も並外れたものであることが求められる。そして、正真正銘の特別に高級なインテリアを備えていなければ、顧客の要求に応えることはできない。

そのことは、なぜベントレーがこのクルマのハードルを全体的に引き上げ、新開発プラットフォームを用意し、ベントレーがほかのモデルには使ったことのないテクノロジーをシャシーに導入した理由だ。また、室内のテクノロジーやコネクティビティも、これまでにはなかったほど高度なものになった。

次世代のロールス・ロイス・ゴーストメルセデス・ベンツSクラスの登場が近づくなか、新型フライングスパーはどれほどのものに仕上がっているのだろうか。確かめてみようではないか。

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