【キャデラックがベースの奇抜なレーサー】 ル・モンスト・ロードスター 後編

2020.08.01

サマリー

オリジナルは博物館に保管される、奇抜なキャデラック・ベースのレーサーが存在します。熱狂的なファンによって復元され、2018年のル・マン・クラシックへ参戦した、モンスターと呼ばれた斬新な1台をご紹介しましょう。

もくじ

4ドアのキャデラックとエンジンを換装
ル・モンストのコピー制作を決意
5か月で仕上げたロードスターのレプリカ
間違いなく人生を楽しんでいる

4ドアのキャデラックとエンジンを換装

text:Julian Balme (ジュリアン・バルメ)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2016年のル・マン・クラシックへの準備を進めるドリンクウォーター夫妻。「4ドアのキャデラックもクリーニングし、ブレーキとエンジンオイルを交換しました。想像よりずっと状態は良く、1950年からの走行距離は1万3600km。そこでル・マンまでの足にしました」

デレクは2ドアのキャデラック・シリーズ61クーペをレーサーへ改造した。「基本的には、いままでに仕事でしてきた内容と共通で、作業は順調に進みました」 夫のデレクが振り返る。

 キャデラック・シリーズ61クーペ・レーサー・レプリカ(1950年)
キャデラック・シリーズ61クーペ・レーサー・レプリカ(1950年)

彼はレブス・インスティチュートで、数百枚ものオリジナル車両の写真を撮影していた。ボンネットのストラップの位置やドアパネルの色も、正確にわかるほど。細部の仕上げや正確さを優先して、レプリカ・レーサーの制作を進めた。

外注した5.4L V8エンジンのリビルトは失敗だった。「自分の溶接と同じレベルの仕上がりでした。会社の評判が良かっただけに、がっかりしました。予選のピットレーンを出発しようという間際、おかしいことに気づいたのです」

「1周目でピットインしたのですが、スタッフからもう一度コースに出るように指示されました。出てすぐ、ダンロップ・ブリッジの手前でストップ。なんとかスタートラインは2度通過したので、本戦へ進めました」

エンジンは走れないほどではないものの、不良品と呼べるものだった。「キャデラックをキャンプサイトへ戻し、計画を練りました。妻のパットは、すでにエンジンを下ろす準備を進めていました」

「翌朝の午前3時に、ル・マンまでの足とした4ドアのキャデラックから2ドア・クーペへ、エンジンの載せ替えが完了。レースへの準備は間に合いました」 その実行力を誇るように振り返る。

 
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