【DB6を電動化】純EV版アストン マーティンDB6へ試乗 未来を走るクラシック

公開 : 2020.08.05 10:20

システムはDB4とDB5、DBSにも利用可能

クラシックモデルを純EV化させるアイデアには賛否両論があるだろう。最終的には市場が判断することなのかもしれない。スパイアーズは、電動化をビジネスモデルとして確立するには、顧客からの前向きな反応が必要だとも認めている。

「いまは一生懸命に取り組んでいます。近い将来、このプログラムが導入できないとすれば、逆に驚いてしまいますよ」とスパイアーズは熱を込める。

アストン マーティンDB6ヴォランテ EV版プロトタイプ
アストン マーティンDB6ヴォランテ EV版プロトタイプ

この純EVのパワートレインは、かつてのDB4とDB5、DBSにも利用できる。アストン マーティン製のDOHC直列6気筒エンジンは長期間採用されていたため、多くのモデルをEV化させることが可能なのだ。

1958年から1972年にかけて、この6気筒エンジンを搭載したアストン マーティンは3000台ほどある。「この年代のモデルを選んだのは、高い価値が認められ、まだ残存台数も多いからです」と説明するスパイアーズ。

純EVへのコンバージョンに必要な費用は、税別で20万ポンド(2700万円)前後になる見込み。これには、オリジナル・エンジンの保管費用や、戻す費用も含まれる。

「仮に対象となる年代の10%を手掛けたとすると、300台程度です。開発コストを正当化させるには、充分以上の台数といえます。社会的な意識の変化や圧力を考えれば、現実的な数字目標だと考えています」

ロンドンの道で、音を出さずに走るDB6を見る日が来るのも、そう遠くはないのかもしれない。

※この記事のオリジナルは、2019年に書かれたものです。

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