モーターショー

2017.03.07

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ

640psのV10を搭載するランボルギーニ・ウラカンのハードコア・モデル、ペルフォマンテがジュネーブ・モーターショーで公開された。価格は£213,000(3,000万円)だ。

市販車最速モデル、遂に登場

ニュルブルクリンクのノルドシェライフェで、それまでのレコード・ホルダーであったポルシェ918スパイダーのタイムを5秒上回る6分52秒01を叩き出した最速の市販車、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテが公開された。

搭載されるパワー・ユニットは、640psを発揮する5.2ℓV10ノーマル・アスピレーションで、ランボルギーニのV10としては最高の値を持つ。パフォーマンスは0-100km/h加速が通常のウラカンよりも0.3秒速い2.9秒で、最高速度は325km/hとアナウンスされている。

また、そのボディ重量は1382kgで、通常のウラカンよりも40kgほど軽い。そのため、パワー・ウエイト・レシオは436ps/トン という値だ。

ただ、高速域で速いだけでなく、この640psユニットは、1000rpmでピーク・トルクの70%を発揮する「最適化された」トルク・カーブを持つ。また、7速デュアル・クラッチも、向上したパフォーマンスにマッチするように調整されているという。

このペルフォマンテのセールス・ポイントは、エンジンと共に、そのボディ・ワークにある。超軽量鍛造カーボンファイバー・コンポジット・マテリアルは、ランボルギーニがパテントを持つもので、ワンピースで複雑なカタチを無傷で造り出せるという。この最新のマテリアルは、主にエアロダイナミクスを生み出すパーツに使用される。

エア・ダクトとフラップを含む固定式の巨大なリア・ウイングもワンピースの鍛造カーボンファイバー製だ。

ランボルギーニ・アッティーヴァを採用

ペルフォマンテには、イタリア語で「翼」を意味するエアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)を採用している。ペルフォルマンテ専用に開発したアクティブ・エアロダイナミクス・システムは、高ダウンフォースや低抗力での走行の際、能動的に空力負荷を変化させる。

このシステムは、デザイン、重量、パフォーマンスなどすべての面において車両と完全に一体化している。フロント用ALAシステムの電動モーターを擁するのは、上部表面にアクティブ・フラップが付き、鍛造カーボン・フレームを使用したフロント・スポイラーだ。また、リア・リッドは、エアダクトの周りからリア・ウイング、そしてウイング・パイロンを囲むように設計がされている。

また、ランボルギーニ・ピアッタフォルマ・イネルツィアーレ(LPI)が、車両に搭載されたすべての電子装置をリアルタイムで管理。ALAシステムと連動し、僅か0.5秒足らずでALAシステムのフラップを起動するなど、あらゆる走行条件において最高の空力設定を整える。

ALAをオフにすると、フロント・スポイラー内のアクティブ・フラップが閉じ、高速でのコーナリングおよびフルブレーキング時に必要な高ダウンフォースを発生させる。ALAをオンにすると、電動モーターによってフロントのフラップが開いてフロント・スポイラーの空圧を削減するとともに、インナーチャンネルを通じて特殊形状の車体底部へと空気の流れを導く。この結果、劇的に抗力が減少し、加速および最高速度の最大化に最適な条件が整う。

リア・ボンネットの下には、エアダクト4本を設置。フード下の換気および排気冷却を行うために中央ダクト2本は常に開いた状態で、外部ダクト2本はリア・ウイングのインナーチャンネルに連結している。リア・ウイング・チャンネル内の空流は、電子作動式フラップ2つで制御。電子作動式システム全体の重量は、従来の油圧式システムに比べて80%も軽量だという。

ALAをオフにするとリア・フラップが閉じ、リア・ウイングが従来の固定式ウイングと同様の働きをする。また、ウラカン・クーペ比750%増というダウンフォースを発生し、高速コーナリング時およびフルブレーキ時の安定性を高める。

一方、高スロットル時にはLPIがALAをオンにし、開いたフラップからリア・ウイングのインナーチャンネル内へと空気が流れ込み、ウイング下を通るように導く。その結果、抗力を削減するとともに、加速力およびトップスピード到達力が向上する。

さらに、リアウイングのインナーチャンネルは左右に分かれ、高速でのコーナリングに最適なエアロ・ベクタリングを行う。LPIは、曲がる方向に応じてALAの設定をスポイラーの左右いずれかに切り替え、インナー・ホイールのダウンフォースおよびトラクションを増加させることによってローリング時の荷重伝達に対抗する。また、同様にシャシーの推進力を最適化して操舵角を縮小させ、車両全体の動的安定性を向上させる。

専用のサスペンション

ペルフォルマンテが掲げた開発目標である「パフォーマンス志向のレース仕様車」を反映し、サスペンション・システムにも改良が施されている。スプリングおよびバーを改良した結果、ウラカン・クーペに比べて垂直剛性が10%、ロール剛性は15%もアップ。アームブッシングの半径方向剛性と軸方向剛性が50%増加したことにより、車体の横方向制御も大幅に強化された。

フロントとリアのダブル・ウィッシュボーンには、パッシブ型ダンパー(オプションで磁気粘性サスペンションが付属)を装備。パッシブおよびアクティブ・サスペンション・システム共に、特にサーキット走行時のボディおよびホイール制御の向上を意図した設計となっている。

また、電動パワー・ステアリングにはオプションでギア比可変のランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング(LDS)を付けることも可能。なお、ドライビングモード3種(ストラーダ、スポルト、コルサ)のいずれかを選択してもドライバー・フィードバックを最大化し、高反応なステアリングが得られるよう、電動パワーステアリングおよびLDSを大幅に再調整している。サーキット走行を想定したハイパフォーマンスのコルサ・モードでは、ステアリング・レシオの変動を大幅に抑え、レースのような感覚が愉しめるという。

いかなる状況においても最大のトラクションが得られるよう調整を施した四輪駆動システムは、ALAシステムと連動している。一方、ESCも調整され、干渉を軽減することで、よりスムーズな介入を行える。

ウラカン・ペルフォルマンテでは、全システムの設定を自在にカスタマイズできるドライビング・モードを採用している。今回、このドライビング・モードの制御を担うランボルギーニANIMAシステムを改良し、ストラーダ、スポルト、コルサの各種モードに応じたドライビングの向上を図っている。ストラーダでは、トラクションと安定性を最優先。スポルトは、後輪駆動寄りで、オーバーステア気味の挙動とドリフトを手軽に愉しめる。更に、コルサでは、サーキットで最高の走りを実現するようにトップ・パフォーマンスとハンドリングを重視している。

20インチ・ホイールにピレリPゼロ・コルサ

ペルフォルマンテには、完全電子制御でリアにオートロック式リア・デファレンシャルを装備したランボルギーニ開発の四輪駆動ハルデックスの第5世代システムを搭載する。

ホイールは、専用設計のブロンズ20インチ・ナルヴィ・フォージド・リム。オプションで、セントラル・ロックの20インチ・ロジェ・フォージド・リムも設定される。

タイヤもペルフォルマンテ専用に開発されたピレリPゼロ・コルサだが、公道走行も可能なサーキット用タイヤ、ピレリ・トロフェオRの設定もある。

ブレーキには、通気性に優れたクロスドリル加工カーボン・セラミック・ディスクを採用。フロントに6ピストンのブレーキ・キャリパー、リアに4ピストンのブレーキ・キャリパーを装備する。

インテリアにも軽量素材

インテリアにも、ペルフォルマンテが重視する軽量性および空力性能の高さが表れている。エアベント、パドル、ドア・ハンドルおよびセンター・コンソールは、すべて鍛造コンポジット製。シートもアルカンターラが貼られた軽量タイプだ。

ダッシュボードのディスプレイには、ALA専用画像を駆使してエアロ・ベクタリングを始めとするALAの作動状況を表示される。

また、新しいデジタル・コクピット・ディスプレイは、3種のドライビング・モード(ストラーダ、スポルト、コルサ)に応じて設定の変更が可能。また、ダウンフォースおよび抗力の詳細なデータを表示するALA専用ディスプレイも付属する。今回一新されたコクピットのレイアウトは、Apple Car Playや、運転時のパフォーマンスの録画、再生、分析が可能なランボルギーニ・テレメトリー・システムなど見ることができるiPhoneアプリにも対応している。

ランボルギーニのCEO、ステファノ・ドメニカリは、「このペルフォマンテは、ランボルギーニのDNAとイノベーション、そして360°からのアプローチでクラス・トップのスポーツカーに仕上がった。ランボルギーニV10モデルのトップであることは、そのネーミングからもわかるだろう」とコメントしている。

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテは、2017年夏以降納車開始予定。生産台数に制限はない。

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