メルセデス、Eセル・ドライブトレインを発表

公開 : 2012.03.10 11:03  更新 : 2017.06.01 00:54

メルセデス・ベンツは、「メルセデスSLS AMG Eセル・プロジェクト」と名付けられたエレクトリック・ドライブトレイン・システムを発表した。このシステムは2010年から開発が進められてきたもので、F-1のKERS(キネティック・エネルギー・リカバリー・システム)の経験を取り入れたものだ。

Eセルは、2010年以降、AMG、ノーザンプトンシャアのブリックワースにあるメルセデスAMGハイ・パフォーマンス・パワートレインの共同で開発されている。

システムは392kW(526bhp相当)のピーク・パワーと89.7kg-mのトルクを発揮する4台の電気モーターで構成される。その4台のモーターの最高回転数は12,000rpmだ。従来通りのコンベンショナルなSLS AMGが0-100km/hを3.8秒で駆け抜けるのに対し、Eセル・モデルは4.0秒という値を持つ。

バネ下質量を低減するために、メルセデスではこのモーターをホイールハブではなくホイール近くに配置した。更に、4台のモーターとトランスミッションは、低重心とバランスを確保するために、車両の中央下部に置かれている。

バッテリーは400ボルトで、それは72のリチウムイオン・セルによる12のモジュールからなる。それはブレーキングの際には充電が行われる。電子制御システムは、同期電動機のために必要とされる高圧バッテリーの三相交流を直流に変える制御を行う。また、クーリングおよびヒーティング・システムは、バッテリーの温度を維持するのだという。

4つのモーターは、それぞれの状況に応じてアクセラレーションがブレーキングかを判断してパワーを発揮し、パーマネントな4輪駆動をSLS AMGに与えることとなる。

カーボンファイバー製のトランスミッション・トンネルは、高圧のバッテリー・モジュールのためであると同時に、Eセルのアルミニウム製ボディ・シェルに構造的に集約される。サスペンションは、既存のSLS AMGとは異なり、プッシュロッド・ダンパー・ストラットのマルチリンクが採用された。これは、従来の垂直に配置されたストラットでは、ドライブシャフトのためのスペースが生み出せなかった結果だ。

メルセデスSLS AMG Eセルは2013年に生産に入ることが予定されている。しかし、その数は限られるということだ。

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