今後のポルシェ・ハイ・パフォーマンス・モデル計画

公開 : 2015.02.13 22:50  更新 : 2017.06.01 02:11

来月行なわれるジュネーブ・モーターショーでラディカルな2ドア・スポーツ、911GT3 RSをアンヴェールする予定のポルシェだが、ここでは、ここ暫くの間にデビューが予定されているポルシェのハイ・パフォーマンス・モデルの計画について触れていこう。今月始めには、ケイマンのトップ・モデルであるGT4が登場し、今年後半には911の歴史の中で、1997年に空冷から水冷へと代わったのと同じぐらい劇的な変化、全エンジンのターボチャージャー化が911には計画されている。更には、新しい918スパイダー後継モデルも既にプラニングされているという。

まず最初は911GT3 RSだ。このモデルはジュネーブ・モーターショーの直前に公開が予定されている。リサーチ&デベロップメントのボスであるウルフガング・ハッツによれば、これまでの中でも最も標準的なGT3モデルとのギャップが大きいモデルであるという。もちろん、911GT3よりも軽量であることは言うまでもないが、何よりも大きな違いはそのエアロダイナミクスにあるという。この911GT3 RSは、911に新しいダウンフォース・レベルを提供することになると言われている。また、エンジンは510ps程度となる。これはGT3の475psよりも35psも大きい数値だ。

ポルシェはまだその外観に関しては明らかにしていないが、911ターボのようなワイド・ボディが与えられ、エア・インテイク、リア・ウイング、フロント・ホイール上にあるリフトを低減させるエア・アウトレットが装備される。

ニュルブルクリンクが冬という悪条件のため、タイム計測はできなかったようだが、ポルシェのシミュレーションによれば、911GT3 RSのラップ・タイムは7分20秒を切るという。これは、2011年モデルの620psを誇ったツインターボのGT2 RSの7分18秒に肉薄するタイムであり、それの更新も狙えるものだ。

果たしてGT3 RSがPDKのみになるか、マニュアル・トランスミッションが設定されるかどうかも明らかになっていない。911GT3はPDKのみの設定だったが、ケイマンGT4がマニュアル・トランスミッションだけの設定がされたことからも、明らかではない。確かにニュルブルクリンクのラップ・タイムだけを見れば、PDKのみという選択肢も考えられなくもないが。

最も重要なのは、ポルシェが911GT3 RSのために新たにエンジンを開発したことにある。先に話したとおり、911は今年中にすべてのモデルがターボ・ユニットとなる予定だ。しかし、GT3には専用のノーマル・アスピレーション・ユニットが開発されている。

ちなみに、新しい911にターボのネーミングが採用されるかどうかは不明だ。これに関してはあまり期待が持てない。というのも、ターボ付きのマカンにも、敢えてマカン・ターボというネーミングは与えられていない。911もこれと同じアプローチになると予想される。この新しいターボ・ユニットを搭載した911は、今年の秋の登場が予定されている。911に4気筒ユニットと言う噂もあったが、ハッツは911は6気筒ユニットを備えてなければならないと断言し、4気筒はボクスターとケイマンのためのものとなった、確かに911には1965年から1969年の間に生産されたモデルがあったが、それは912という別の名前が与えられた。この912は、30,000台以上のセールを記録し、成功したモデルとも言えるので、将来にわたって4気筒の911が否定されたわけではないということも付け加えておこう。

また、限定モデルとしてGT2 RSが登場する可能性もある。£165,000(3,020万円)という価格で、500台の限定で生産された前モデルは、僅か2ヶ月でソールド・アウトした。

「確かに、われわれのユーザーは、より多くのパワーを求めている。ポルシェもユーザーの声は出来る限り反映したいと思っている。しかし、GT2 RSがデビューするとしても、それは現行911のライフ・サイクルの終わり頃になりそうで、少なくとも後2年は必要だ。」とハッツは語っている。

ポルシェはフェラーリ488GTBとマクラーレン675LTに対抗するモデルの開発も進めている。ハッツによれば、2020年までに準備ができることになるという。情報はまだ一切伝わってこないが、新しいパナメーラカイエンに搭載される予定のV8ユニットが採用されるようだ。エンジンはミドで、ターボチャージャーによる過給を持つ。どのぐらいハイブリッドの要素が盛り込まれるかも明確ではない。このモデルは、918スパイダーの後継モデルではなく、標準的なプロダクション・モデルになると予想されている。

しかし、その一方でハッツは、918スパイダーの後継モデルも考えていることを明らかにした。

911

新しい510psのGT3 RSは3月に公開される。そのぎ、”991″ に大きなマイナーチェンジが施される。その最も大きな変更点は、すべてのエンジンがターボチャージャー化されることにある。ハイブリッド・システムの採用に関しては、今回は見送られる模様。

ケイマン

385psのパワーユニットを搭載する£64,451(1,180万円)のフラッグシップ・モデル、GT4がデビューしたばかりだが、その一方で2.0ℓ4気筒ユニットを搭載するエントリー・モデルも追加される。このエントリー・モデルは、”ポルシェらしい性能” を保持するためにターボチャージャーが追加されることになる。

ボクスター

ケイマン同様に新しい4気筒ユニット搭載モデルが追加される。また、ハイ・パフォーマンス・バージョンとして、ケイマンGT4のボクスター版も予定されている。このモデルは、GT4というネーミングではなく、ボクスターにとって懐かしい “クラブ・スポーツ” のネーミングが復活すると思われる。

918スパイダー後継モデル

918スパイダーが完売したことを受けて、すでにポルシェは918スパイダーの後継モデルに着手したようだ。そのデビューは2020年より前になると思われる。およそ500台の限定生産となる予定だが、そのぐらいの数が捌けることは、918スパイダーで証明済みだ。

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