マーティン・ブランドルが語る F1 2015年シーズン・プレビュー

2015.03.13

今日からF1グランプリがオーストラリアで開幕するが、その直前に元F1ドライバーであり現在はテレビ解説者のマーティン・ブランドル氏と、本誌英国版編集長のスティーブ・クロプリーが1対1の対談を行った。

マーティン・ブランドル氏がF1を1996年に引退するまでの12年間、氏はアイルトン・セナやミハエル・シューマッハと激戦を交わした。しかし彼がより有名になったのはF1解説者になってからのことである。

彼を特別な者たらしめるのは、F1出身者ならではの豊富な知識と、それを分かりやすく表現する引き出しの多さだ。そんなスキルを評価したタイムズ誌は2009年に彼を “内外問わず最高のTVアナリスト” と称した。

言うまでもなく、ブランドル氏はいつも各メディアから引っ張りだこだ。F1マシンのハンドルを握っていたころからオファーは絶えず、引退を機にすぐに英国最古のITV(独立テレビジョン)に入社したのだった。

英国の大御所コメンテーター、マレー・ウォーカー氏と仕事をしたのもこの頃。「ペレにサッカーを教えてもらうようなものさ」と当時を振り返った。その後BBCがF1の放送権を取り戻した際に、ブランドル氏も移籍した。

ところがBBCは2012年を境に全レースの放映をやめたのだ。すべてのレースを見ないと気がすまなかったブランドル氏はBBCを去り、BスカイBが運営するスポーツ専門チャンネル ’スカイ’ に移籍したのだった。

最近は彼の詳しい知識に更に磨きを掛けるとともに、スーパーカー・レースにも参戦している。それ以外の日はジムに通い、いつF1マシンに乗り込んでもいいようコンディションを整えているのだそうだ。

われわれがロンドンで会う前、ブランドル氏はフォース・インディアの施設内でシートのフィッティングと、シミュレーション・レースを行っていたのだそうだ。

シミュレーションの結果はニコ・ヒュルケンベルグのタイム+2.6秒。「昨シーズンを6位で終えた現役選手との差なのだから大健闘ですよ」という私に対し、彼は非常に悔しい表情を浮かべていた。やはり只者ではない。

ちなみに彼はフォース・インディアの使用するメルセデス製エンジンをはじめ、ルノーやメルセデス・ベンツ、フェラーリのエンジンを搭載したモダン・マシンまで味見をしているのだそうだ。

話を少し前に戻そう。時は1997年、’グリッド・ウォーク’ が誕生した年だ。実はこのシステムを導入したのも彼。私を含めジャーナリストが数々の名ドライバーをインタビューできるのは、ブランドル氏のおかげなのだ。

ブランドル氏はF1の開幕が待ちきれないという。「(F1を観ていると)いつだってフレッシュな質問が浮かび上がるのです」というのが、彼がF1をこよなく愛する理由のようだ。

ロンドンのとある建物のロビーで対談を始めるにあたって、私はまず「昨シーズンの英国出身のスターといえば、やはりジェンソン・バトンでしょうか?」という質問をぶつけてみた。

「んー」と慎重に答えを探るブランドル氏。「順位こそ芳しくありませんでしたが、たしかに彼の実力を証明したシーズンでしたね」と答えた。

 
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