スバルの「独自すぎる」ブランド再構築の手法 欧州不振は「織りこみ済み」

公開 : 2017.06.17 19:10  更新 : 2017.12.14 12:31

欧州を「捨てる」のは、適切だろうか?

ブランドを認知し、プレミアムな価格でも購入する顧客が数多く見込める市場にのみ注力していくというわけで、スバルの経営規模も考慮すれば的確な判断だといえるだろう。

つまり、スバルが今後やろうとしていることは、今までしてきたことと何ら変わらないのだ。それはゆるやかで、コスト効率を重視した前進だ。

単一のプラットフォームとトランスミッションをベースとしたラインナップ、シンプルなハイブリッド、安全装備としての機能を優先した自動運転技術といったメカニズム的な布陣もまた、自社の体力を熟知した上での賢明な選択である。

その場合、最大の問題は円-ドルの為替レートに損益が左右されやすいことだが、北米現地生産の強化で、その弱みは薄めることができる。

確かに、かつて17.5%にも達した利益率は、円高により大幅に落ち込んだが、それでも12.4%というのは業界全体を見回しても驚異的に高い。

そうして、合併を考えるのが常識といわれる規模のメーカーでありながら、一応の独立は保っているのだ。スバルが、ビジネスモデルは破綻しておらず、方針転換の必要もないと主張するのは妥当だといえるだろう。

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