[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

ロールスやベントレー、「死」の先にある希望 超高級車の墓場を訪ねる

2017.07.01

100字サマリー

天寿を全うしたロールス・ロイスとベントレーは、部品取りに回されていました。英国一豪華な廃車置き場を探検します。

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)

 

ロールスとベントレーの墓場

象の墓場、というのをご存知だろう。サバンナのどこかにあるとされ、あの偉大な動物が、死期を悟ると本能的に向かうといわれる場所だ。もっとも、その話はどうやら創作らしいのだが。

しかし、クルマの世界にはそれに近い場所が存在する。英ウォリックシャーはヌニートン郊外の工業団地にある「フライングスペアーズ」は22年前から、ロールス・ロイスとベントレーの最期を看取る仕事を続けているショップだ。

かつて栄光をほしいままにした高級サルーンの残骸に囲まれながら迎える朝というのは、初めての経験だった。それらは錆の浮くにまかせたまま並べられているが、すぐに鉄屑にされないのは、まだ再生できる部品を抱えているからだ。

1台のシルバーシャドウはヘッドランプが外され、黒い眼窩だけをこちらに向けている。かつては大陸を200km/h以上で縦横無尽に駆け抜けたターボRも、今はダンパーの抜けた側へとその巨体を傾がせて、惰眠を貪るばかりだ。

ほとんどのクルマは1970年代や1980年代のものだが、中には比較的新しいモデルも見受けられた。コンチネンタルGTやフライングスパーの姿もある。それらは事故で全損となったものだ。

かつては羨望を集めたそれらも、使える部品はすっかり剥ぎ取られ、骨と皮だけの骸を晒している。

ただし、時にはまだ走行可能なものが陳列されることもないわけではない。

 
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