目指せ1600km/h ひとりの男の夢 「ブラッドハウンド」物語り

2017.11.26

ロケットとクルマをひとつに

途方もない記録のためにはすべての努力が正当化される。ジェット・エンジンを搭載して地上最高速度記録をだしたクルマはたくさんあるし、ロケットを搭載したクルマでもひとつ成功例があるが、このふたつの技術を統合しようとしたクルマはかつてない。

ロケットは非常に強力で、エンジン上部にロケットが搭載されていると、点火した瞬間にクルマのノーズは地面にめり込む。このことを1年かかって理解したチームは、クルマ全体を作り直しロケット搭載位置を変更した。

お手柄もある。地上最高速の新記録と認められるには、少なくとも前の記録より1%(今回の場合は12.3km/h)上回らなければならない。

1997年にスラストSSCが現れるまでの32年間、記録は51.5km/hだけしか伸びなかったが、スラストSSCは209km/hも記録を更新し、音速を突破した。

しかしブラッドハウンドは最高速1690km/hに設計され、これは過去の地上最高速度より483km/hも高い。彼らが成し遂げようとしていることは、わたしには想像すらできない。しかし、彼らはそれを実現する手段を持っているのだ。

ジェット・エンジンは初期の実験的なEJ200ユニットで、これはNATOの戦闘機ジェットファイター・タイフーン用に開発されたものだ。

しかし、ナーモ・ロケットを併用すると非常に高出力となり、地上ではEJ200を2基搭載するタイフーンよりも320km/h以上も速い。

実際、ジェット・エンジンの推進力は9tで自重は1tしかない。対照的に、20年前にスラストSSCに搭載されたロールス・ロイスのスペイ・エンジンは、自重2tにもかかわらず推進力は8tだった。

 
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