VW、微粒子フィルター(GPF)をガソリン車にも 16年の公約で 仕組みは?

公開 : 2018.03.04 18:10

微粒子フィルター ナノ粒子さえ捕集

フォルクスワーゲンの微粒子フィルターは排ガス中の有毒ガスを減らす三元触媒コンバータの役割も兼ねている。

通常の三元触媒コンバータはセラミック製のハチの巣のような構造をしていて、その中を排気ガスがテールパイプに向かって流れていくようになっている。

この内部は触媒コートがなされており、主に3種類の炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)が低減される。

今までは直径10ミクロン程度のディーゼル微粒子(PM10)やより小さなPM2.5が主な対象だった。比較のために言っておくと、人間の毛髪は直径70ミクロン前後である。

しかし2001年ごろからPM10の100分の1も小さなナノ単位の微粒子に注目が集まるようになった。スウェーデン道路管理局によれば、ある条件下においては一部のガソリン車はディーゼル車と同等のナノ粒子を排出しているとのことだ。

以前は排気ガス中の微粒子は質量によって計測されていたが、新たな計量方法の発達とともにこれに対する警戒感が高まっている。ナノ粒子は非常に軽量であるものの、広範囲に分布できるほど大量に存在しているのだ。

このナノ粒子が持つ問題点はより大きな粒子と比べて肺のより深くまで浸透しやすいこと。ディーゼルにおける微粒子フィルターと同様に、GPFもナノ粒子を含めてあらゆる大きさの粒子を捕集することができる。

しかしながら、実際には様々な種類の微粒子があらゆる部位から排出されている。例えば、ブレーキやタイヤや路面などだ。DEFRAによる研究によれば、それらは排気ガスと同等の微粒子を発生させていることも考えなければならない。

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