アストンとロールスの「いざこざ」に見る、ラグジュアリーカーの未来

2018.04.14

ロールス・ロイスの反論

同じジュネーブ・ショーで、ロールス・ロイスの最高経営責任者トルステン・ミュラー・エトヴェシュはフィナンシャル・タイムに対してこう語った。

「アストンはわれわれのセグメントをまったく理解していません。顧客のことも全然わかっていない。彼らは価格設定のまったく違うグループの住人です。超上流のセグメントにはほんの小さな糸口さえ持っていない。ゼロです」

市場の盟主にケンカを売ってまでして、新モデルで超ラグジュアリーなセグメントに参入する意思を宣言したアストンの決断は、一見したところ小さなコップの中の嵐のように見えなくもない。

2017年、ロールス・ロイスは3362台のクルマを販売した(一部の顧客がファントムのフルモデルチェンジで買い控えたため、2016年の4011台からのダウンだ)。同じく昨年、アストンはDB11への強い需要を背景に一昨年から58%増となる5117台を販売した。

超ラグジュアリーの市場はかくも小さいのに、なぜ大喧嘩をしなければならないのか?

それはかんたんにいうと、ロールス・ロイスもはっきり気づいているように、千載一遇の嗜好の大変化が起きようとしているのではないかいう期待があるからだとAUTOCARは考えている。

世界中の大富豪たちが考える超ラグジュアリーの概念は、大きく変わろうとしているのかもしれない。

ロールス・ロイスの名誉のために付け加えると、このことは彼らの将来ビジョンの中にすでに示されている。

2016年の103EXが将来ビジョンを示すロールス最初のコンセプトカーだった。103EXはラゴンダ・コンセプトよりも過激だったが、同じようなトーンのクルマだった。全電動ドライブで全自動運転。インテリアには従来にない素材が使われ、「グランド・サンクチュアリー」と謳われた。

アストンがラゴンダでやろうとしていることは、グローバル・ラグジュアリー・セクターの研究者やアナリストによると「ラグジュアリー・ハッキング」というものだそうだ。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる報告書「ラグジュアリーの将来」によると、ハッキングとは「商品の本質を理解し、従来とは異なるより効率的、刺激的なアプローチを提供すること」である。

 
最新海外ニュース

人気記事