アストンとロールスの「いざこざ」に見る、ラグジュアリーカーの未来

2018.04.14

いつまでも若々しいこと

フランスEDHECビジネススクールのマーケティング専門家であるマリーセシル・セルベヨン教授はコンサルタント会社キャンバス8にこう語った。

「ファッションの世界では年代物の使い古しのラグジュアリーは未だに大きなトレンドです」

これは自動車産業にも定着したトレンドだ。昨今のクラシックカーブームや自動車メーカーが自社のヒストリックカーを修理するサービスを提供する動きを見れば明らかだろう。

もし、現在主流のラグジュアリーEVの多くが超ラグジュアリーな消費者の足になるほど十分リファインされており、より多くの投資が評価の高いクラシックカーや現代的に作り直されたクラシックカーに流れ込み始めるとしたらどうなるだろう。ブラバス、ヘンメルが作るメルセデスSLのような。

ベントレーのチーフデザイナーであるステファン・シーラフによれば、新たな社会学的トレンドはひとが「いつまでも若々しい」ことだそうだ。

そういうひとびとは、伝統的な超ラグジュアリーな新車に25万ポンド(3800万円)を投資するより、特注のクラシカルなおもちゃを買うだろう。

アストンの賭け

たしかにラゴンダ・コンセプトの提案は、これらの潜在的なトレンドにピタリと当てはまる。

ライヒマンはジュネーブショーでこうも言っている。「ラゴンダはいつも破壊兵器なんです。それはロールス・ロイス、ベントレーと戦う大きな宿命を背負っているのです。つねに挑戦的な姿かたちをしているんです」

鳴り物入りのラゴンダの登場は超ラグジュアリー市場の変容に対する賭けともいえるだろう。

超ラグジュアリー市場を変容させる可能性のあるものは数多い。風貌が若々しくミレニアルの子供や孫から影響を受けている新世代の大富豪。革製品や石油由来のプラスチックを嫌い、持続可能な天然素材やクルマ製造のエネルギー削減に強い関心を寄せるトレンド。ずっと環境負荷の小さい超ラグジュアリー。そしてもっと過激なインテリアへの欲望。

これらが超ラグジュアリー市場を変容させる可能性はたしかにある。しかしアストン マーティン規模の企業にとって、これは地獄の賭けである。

 
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