英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット

公開 : 2018.08.18 12:10

12兆円産業の主要プレーヤー(その2)

ヴォグゾール

ルートンとエレズミーア・ポートは、ブレクジットで先行き不透明なことに加え、このブランドがコストカッターのPSAに売却されたので、閉鎖される恐れが多分にあるように見える。しかし、報道によればルートン工場ではPSAのプラットフォームを使った新型バンを製造するとのことであり、PSAはルートンの救済にくるのだ。

PSAの社長カルロス・タヴァレスは、現行型アストラのモデルチェンジ時期となる2020年まではエレズミーア・ポートについての決定は行われないだろうと語った。今年初めには全従業員の3分の1が解雇された。コスト競争力を高める試みであるが、もしこれがうまくいって、かつ現在の利益が確保されるようなブレクジットが行われるなら、この工場も生き延びるかもしれない。

フォード

ユナイト組合は、フォードの巨大なエンジン工場、ガソリンに特化したブリジェンド工場とディーゼルを製造するデイジェンハム工場を視察した際、ディーゼルエンジンにまつわる大騒ぎにたいして英国の工場従業員のあいだでパラノイアの症状を示した。内燃機関に代わって電動ドライブトレインの製造に切り替えるというのだ。

フォードは電動化に関して現実的過ぎるほど現実的だが、フォードの大きな問題はブリジェンドで生産しているV6、V8のガソリンエンジン、それにデイジェンハムで生産しているV6ディーゼルの顧客であるJLRを2020年までに失うことである。

V6ディーゼルは米国でF-150ピックアップに新たに搭載されるが、ブリジェンドで製造されるエンジンは15万台減少する。新しい1.5リッターエンジンは両方の工場の生産台数を押し上げるだろうが、そのほとんどは欧州にあるフォードの組み立て工場に向かうので、ブレクジットによる混乱の影響は避けられない。

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