消えゆくV8自然吸気 フォード・マスタングで味わう 楽しむなら今

2018.11.03

すべてはV8のために 消えゆく存在

だからこそ、今朝早く新たにフェースリフトを受けたフォード・マスタングに乗って、450psを発揮する5.0ℓV8エンジンのサウンドを嬉々として響かせながら、ウェールズの田舎道を走り廻った。マスタングには多くの魅力が詰まっているが、最高に素晴らしいのは、すべてがこのV8エンジンを輝かせるためにこのクルマが存在しているということだろう。

他のクルマではこうはいかない。アルピーヌA110であれば、数m運転しただけで、このクルマのエンジンは、その類まれなシャシーを活かすために存在していることに気付くだろう。マスタングはまさにその対極であり、単にマスタングが欲しいという顧客のため、4気筒モデルもラインナップされているとはいえ、1964年に初代ポニーカーが登場したその日から、フォードはV8エンジンこそがこのクルマにとってもっとも重要な特徴だと理解していた。つまり、V8エンジンを積んでいないマスタングというのは、まるでノンアルコールビールやカフェインレスのコーヒーと同じような存在なのだ。


そして、いまやそのV8エンジンは終末のときを迎えつつある。アウディ、ベントレー、BMW、メルセデス、フェラーリ、マセラティ、マクラーレン、ジャガー、ランドローバーやポルシェといったメーカーのV8モデルを見て、何を言うのかと思うかも知れない。だが、わたしがV8エンジンは姿を消しつつあるというとき、それは、電動化などされていない自然吸気エンジンのことを意味しているのだ。

英国販売中のモデルとしては、フォードにはマスタングがり、レクサスにもV8モデルは存在している。だが、それに続く第3のV8モデルとなるマセラティのグランツーリスモはかろうじて現役という状況であり、もちろん、シボレーからは依然としてコルベットとカマロがラインナップされているが、これですべてだ。

さきに挙げたすべてのメーカー(当時存在していなかったマクラーレンは別だ)が、自然吸気V8エンジンを積んだモデルを量産していた時代があった。だが、そうしたモデルは過給機付きエンジンがもたらすスペックシート上の燃費性能や出力アップ、理想的なトルクカーブの実現といったもののために姿を消している。

 
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