2019年版 世界おもしろパトカー(4)

公開 : 2019.02.06 11:00

1位:アルピーヌA110(フランス)

最後に、われわれが最も興味をひかれたパトカーを紹介しよう。アルピーヌA110だ。愛すべきクルマというだけでなく、この古風な写真も良い。フランス警察のジャンダルムリに少数ながらA110が導入されたのは1960年代末。フランス政府は速度制限の厳格化を主張した。

それも曖昧に示唆するのではなく、法的な強制力を持つ指示が、この高性能パトカーの支給とともに下された。事態を重く見なかった一般ドライバーたちは、このA110を駆るジャンダルムリに容赦なく捕らえられたのである。

A110は125psを発生させる1.3ℓ4気筒エンジンをリアに搭載する。わずか770kgの軽量ボディは、当時としては活発なパフォーマンスをもたらし、0-96km/h加速は8.2秒、最高速度は216km/hに達した。キャビンが狭かったためか、1970年代前半には高速機動隊にシトロエンSMが追加された。

初代A110は1961年から1977年まで8201台が生産され、ラリーカーとして大活躍した。1973年にはルノーアルピーヌを買収した。1966年には本誌のレビューで次のように語っている。

「ホイールのすぐ後ろにあるキャビンに乗り込み、キーをひねる。アクセルをあおると、右背後にあるエンジンががなり声を立て、1400rpmで一定の鼓動を刻み始める。甘美な香りが徐々に強くなり、ほとんどレーシングカーのような存在だと伝えてくる」

アルピーヌA110は最近復活したが、われわれとしてはこちらも5つ星のモデルだ。相変わらず警察のお世話にならないよう気をつけなければならないだろう。

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