事故調査員に聞く事故の原因 時代とともに状況変化 問題は携帯の使用

2019.02.23

事故原因も変化 問題は携帯電話

事故の原因そのものも大きく変化している。薬物使用下での運転は、飲酒運転の新たな類型と言え、自動車自体の欠陥が問題ではなくなった一方で、高齢者によるペダルの踏み間違い事故が増加している。「高齢ドライバーによる事故を取り扱うケースが非常に増えています」とゲーリーは話す。

そして、ゲーリーもその影響の大きさを認める、携帯電話使用の問題がある。ここでカギとなるのは「注意力の欠如」だ。

「携帯電話の普及期においては、通話しながらの運転が問題の中心でした」とゲーリーは思い返いている。だが、「いまはメールしたり、SNSに投稿しながら運転するドライバーが大きな問題です」と言う。

ゲーリーの調査隊は、事故現場に到着するとまず当然のごとく携帯電話を押収するが、「事故発生時点で携帯電話を使用中だったかどうか、常に明らかになるとは限りません」とも話す。


「かならず利用履歴が残るアプリばかりではありませんが、メールやワッツアップ(インスタントメッセンジャーアプリ)なら送信日時の確認が可能です。いちばん酷かったのは、故障車に追突する直前まで20件もメッセージを送っていた女性ドライバーですね。それも、前の晩に見たドラマの話題ばかりです。何を考えていたのか理解出来ません」

「結局、交通隊でも取り締まりは不可能です」ともゲーリーは言う。この問題に対して、彼は意外なほど現実的で、法律を厳しくするよりも、携帯電話の操作を運転中も安全に行えるようにするのがもっとも効果的だと考えている。

それは強盗やドラッグを合法化するようなものかも知れないが、メッセージの自動読み上げはすでに実用化されており、それがさまざまな形で使えるようになれば、事態も改善に向かうのではないかという。

「もはや携帯電話を手放すことなど不可能なのですから、せめてリスクを減らす方法を考えるべきです。ハンズフリーにするとともに、もっとも大切なのは、携帯電話の画面ではなく、きちんと前を見て運転するようドライバーに仕向けることです」と話すゲーリーは、なかばこの状況を受け入れているようにも見える。

 
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