新技術ことはじめ 真のパイオニア vs 世間が考えるパイオニア 目指すは名誉回復

公開 : 2019.03.03 16:50  更新 : 2021.03.05 21:42

モノコックボディ

1962年、コーリン・チャップマンが初めて完全応力設計を行ったモノコックボディのF1マシン、ロータス25を登場させると、レーシングカーの世界に革命がおこった。それまで使用されていたスペースフレーム構造よりも軽量かつ強固なモノコックは、他のコントラクターたちに、この技術を採用するか、それともそのまま死を待つかの選択を迫った。だが、ロードカーではモノコック構造はすでに長年にわたって採用されており、それは多くのひとびとが思う以上に広まっていた。

シトロエン7CV トラクシオン・アヴァンは3つの点でパイオニアとして知られている。前輪駆動と独立式のフロントサスペンション、そしてモノコックシャシーだ。だが、正確にはどのテクノロジーに関しても、このクルマはパイオニアではない。モノコックシャシーに関する真のパイオニアの座は、このクルマの12年前に登場したランチア・ラムダに譲ることになる。

モノコックは、ラムダが真のパイオニアである理由のひとつにしか過ぎない(このクルマは独立式フロントサスペンションの採用でもシトロエンに先んじている)が、ボディ全体で構造負荷を受け止めるというその技術は、公道モデルの歴史におけるもっとも重要な発明であり、車体をより強く、そして軽くするとともに、安全で速く、さらにはより少ない燃料で、運転して楽しめるクルマにすることに成功している。

真のパイオニア

1922年:ランチア・ラムダ

世間が考えるパイオニア

1934年:シトロエン7CV トラクシオン・アヴァン

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