ラインの終わりは旅のはじまり 完成車の輸送行程を追う

公開 : 2019.03.16 18:50  更新 : 2021.03.05 21:36

出荷前検査を視察

目をひく青のメタリックが追いかけやすいことから、英国向けシードのローンチ・エディションを「われわれの」クルマと決めたところで、エンジンにはじめて火が入って生産ラインから工場出荷前の検査へ移動するところを開始地点とした。

間違いはどうしてもおきるものだが、ここではそれらを見つけて直すことに焦点がおかれる。生産品質管理責任者のトマス・フィグラによると、生産ラインを出たクルマの97%は1回で検査を通過するという。のこりの3%を見つけて直すことが、彼ならびにその下で働く190名の係員の役目だ。

そのために、検査と確認が矢継ぎ早におこなわれる。最初におこなわれるのはブレーキの検査で、法定検査のようにローラーへタイヤを乗せて確実に減速できるかを確かめる。ここに従事する検査員は1業務で120台を調べるという。すなわち、この工場の操業開始から勤めるベテラン従業員には、25万回もシートに背中を押しつけたひともいたりするわけだ。

つぎはクルマを診断機にかけ、また掘りピットで下から足りないボルトなどがないか目視し、ボンネットの下から細い内視鏡を入れて液漏れがないかも確かめる。ヘッドライトの光軸を合わせてホイールアライメントをチェックしたら、3kmほどのコースへ試験走行に出る。

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