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ホンダ英国スウィンドン工場閉鎖 真の理由は? 専門家に聞くその原因

2019.04.20

マネージメント

かつてホンダで働いていたひとびとに話を聞くと、2008年の金融危機が転機になったと感じているようだった。「活気が失われてしまいました。ラインナップを牽引するようなモデルがなくなってしまったのです」と、匿名を条件に以前ホンダで働いていた幹部は語ってくれた。「プロダクトラインが魅力を失い、欧州市場への対応も依然とは違うものになりました」

さらに、ホンダの上層部の間で近年自国市場への注目が高まっており、欧州市場への関心が薄れていると語る内部情報筋もいる。「新たな世代はより自国市場を優先するようになっています」と、かつてのホンダ幹部は語る。

「1992年当時、ホンダの舵取りを担い、欧州市場に関心を寄せていた戦中戦後世代の経営陣は去り、後を継いだひとびとの欧州への関心はそれほど高くはありません」

だが、ベイリー教授は、ホンダの経営陣は忍耐強く対応していたものの、最終的にはあまりにも多くの逆境によって、具体的な行動を余儀なくされたのだと考えている。


「2008年以降、スウィンドンの稼働率は60%でした」と彼は語っている。「しかし、変化はあまりにも激しいものでした。ディーゼル問題やブレグジットによって、戦略は大きな変更を求められることとなったのです」

1980年代のホンダを率いていたのは、過去30年間の日本の自動車メーカートップのなかで、もっとも影響力のあるひとりだと評価されてきた川本信彦氏であり、ホンダの黄金時代が彼の社長時代に重なっているのも、決して偶然ではないだろう。

だが、だからと言って、現経営陣の決断を責めることは出来ない。いまや欧州市場はインドネシアにも抜かれ、ホンダにとっては販売規模で10番目の市場に過ぎず、ヒュンダイの欧州販売台数はホンダの4倍近くにまで達している。

こうした苦境にあっても、ガードナーはホンダが英国と欧州市場での販売を止めることはないと話す。「欧州市場とは、厳しい規制と要求水準の高い顧客を併せ持つ、世界でもっとも競争の厳しい市場であり、ホンダはこれからも欧州向けモデルへの投資を継続します」

 
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