[ABARTH 70周年]嶋田智之が、いま見つめるABARTH 595

自動車メーカーを救えたかもしれない、輝いて消えたコンセプトカー 前編

2019.04.20

サーブ9-3X 4×4(2002年)


2002年、サーブは2019年の自動車業界で主力となるモデルを、驚くほど正確に予見していた。サーブ9-3X 4×4コンセプトは、サーブとしては初めてのオフローダーだったが、後方につれて高くなるショルダーラインと低くなるルーフラインのシャープなプロポーションと、280psを発生させるV6エンジンの組み合わせで、スポーティな要素も兼ね備えていた。

またクルマのコンセプトも、峠道をスリリングに登り詰めていき、頂上から自信を持ってオフロードに飛び込んでいける、ふたつの満足を叶えるところにあった。もし量産が叶ったのなら、サーブ9-3X 4×4はハイパフォーマンス・クロスオーバーというセグメントで、独占的なゲーム展開を楽しむことができたかもしれない。

しかし実際は、深刻な財政難がサーブの内部を蝕み始めていた。2009年になり、9-3Xの名前を付けたクロスオーバー・ステーションワゴンがアウディA4オールロードの回頭として登場するも、短命に終わってしまったことをご存知の読者もいるだろう。

 
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