運転支援システム 逆に危険も? ザッチャム研究所の実験を取材

公開 : 2019.05.25 10:50

自動運転とは明確な区別を

「これを防ぐためには、現在購入可能なクルマで自動運転が可能だという印象を与えてはならず、使う用語にも気をつける必要があります。自動運転技術に対するSAEの5段階評価をやめ、自動運転と運転支援に明確な区別をつけるべきでしょう。本当の自動運転車は2021年以降に登場するのです」

自律走行について、不完全なものは存在してはならないとエイブリーは考えている。技術、道路網、そしてドライバーの準備が整えば完全な自動運転が可能だが、それが整うまで待つ必要があるのだ。それまでは、人間が運転するという役割を放棄してはならないだろう。

運転支援技術に対するザッチャムの理論

心理学者のロバート・ヤーキースとジョン・ドットソンは1908年にヤーキーズ・ドットソンの法則を提唱した。これは人間の覚醒状態とパフォーマンスの関係を示したものだ。ある点までは覚醒度合いが高まればパフォーマンスも同時に向上するが、最適な度合いを超えると逆に低下するというものだ。

ザッチャムはこれを利用し、運転支援技術の介入が適切であれば安全性は向上するが、聴覚や視覚を過剰に刺激するシステムでは逆効果であると説明している。

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