詳細解説 ゴードン・マーレー「最後のアナログ・スーパーカー」開発 約3.4億円

公開 : 2019.06.06 20:10  更新 : 2021.03.05 21:29

シャシーとサスペンション

マクラーレンF1と同様、T.50はオール・カーボンファイバー製のタブ型シャシーと、カーボン・パネル製のボディを持つ。すべて現代の衝突安全基準に適合し、ドライバーのために1個のエアバッグを装備する。3座レイアウトによって本質的にキャブフォワード、つまりキャビンが前方に位置する設計となる。

サスペンションを吊すためのサブフレームは必要としない。リア・サスペンションはアルミニウム製ギアボックス・ハウジングに直接結合され、フロント・サスペンションの支持点はレースカーのようにカーボンファイバー製シャシー構造体の内部に設けられる。

マーレーは、カーボンファイバーをサスペンション・コンポーネントやホイールには使わないことに決めた。ロードカーに求められる耐久性が見込めないと判断したからだ。

すべてのサスペンション・パーツはアルミニウム製だが、リアのロワー・ウィッシュボーンのみ鉄製となる。ブレーキはカーボン・セラミック・ディスクでABSも装備。トラクション・コントロールも搭載されているが、マーレーが望むのは最大限にドライバーがコントロールすることだ。そのため、シャシー・スタビリティ・コントロールは搭載されない。

サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、コイルオーバー・ユニットは車体内部にマウントされたインボード式。高速走行時に増大する空気の圧力に負けず車高を維持できるように設計されたリンケージで結合される。停車時や低速走行時には十分な最低地上高を確保できる。

ホイールとタイヤのサイズは、前19インチ+235、後20インチ+295と、スーパーカーとしては控えめ。「このサイズを選択した理由は、これで必要十分だからです」とマーレーは語っている。「こも好循環の1つですね。車重を軽くすれば、負荷も軽くなり、ボディを侵食するタイヤやホイールも小さくできる」

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