急発進事故 なぜプリウスが目立つのか 解決策ある? マニュアル車も視野に

公開 : 2019.06.07 19:10  更新 : 2021.10.22 10:18

MT(マニュアルトランスミッション)推奨?

MT(マニュアルトランスミッション)車は、機能的に急発進が生じにくい。

AT車はレバーをDレンジに入れて、アクセルペダルを素早く、深く踏み込めば急発進するがMT車は違う。

急発進させるとしても、エンジン回転数を適切な回転域に合わせ(高すぎると過度なホイールスピンが生じて車両が進まない)、半クラッチを上手にコントロールする必要がある。そうしないと急発進できず、激しいショックと同時にエンジンが止まる。

そしてMT車ではギアチェンジの度にクラッチペダルによる駆動力の断続を行うから、車両の故障でエンジン回転が急上昇しても、即座にクラッチペダルを踏んで駆動力をカットできる。MT車は高度な技量を要するギアチェンジを自分で行うから、操作ミスも生じにくいのだ。

MT車の魅力は、ギアチェンジを含めて走りのすべてをドライバーがコントロールできることにあり、だからこそ、急発進など意思に反した車両挙動も抑えられる。

高齢ドライバーの事故を防ぐためにMT車を奨励するのは、非現実的な対策にも思えるが、今の交通事故は緊急事態だ。さまざまな対策を迅速に講じる必要があり、そのひとつにMT車の奨励を加えても良いだろう。

事故防止の対策として考えられることは、片っ端から実践していきたい。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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