英国の車検制度(MOT)改正 自動車の進歩、検査はより厳格に その影響は?

公開 : 2019.06.09 09:50

ガソリン車の高い不合格率 なぜ?

昨年の改正によって、DPF機能そのものが検査されることになったことに、多くのドライバーが不満を抱いていると、ボールは話している。「特に商用車のドライバーには非常に不評です」

データを見れば、商用車ドライバーの腹立ちの理由も理解できる。排ガス関連の不具合でMOTテストをパスできなかった商用車の数は、2018年5月から2019年2月までで、前年同期比116%も増加しているのだ。

もちろん、ガソリン車もこの改正の影響から逃れることは出来ない。アイドリング状態で、オイルを含んだ青白い排ガスを5秒以上排出すると不合格となり、排ガス関連で不合格となった車両の数を改正前と比べた場合、その増加率はわずか5.9%に留まるものの、その不合格率は、ディーゼル車の2.7%に比べ、5.5%とはるかに高いものとなっている。


DVSA(Driver and Vehicles Standards Agency:車両基準局)でMOT政策のトップを務めるニール・バーロウは、このガソリン車とディーゼル車の不合格率の違いを説明することに、局では苦労していると話す。

「なぜ、ディーゼル車に比べ、ガソリン車の不合格率が高いのか、その理由は分かっていません」と、アルダーショットにあるMotest社の試験場で彼は言う。「DfT(Department for Transport:運輸省)では、いま調査を進めており、将来的には、より良い排ガス試験の方法が導入されることになるかも知れません」

DfTは、エンジンマネジメントシステムのチェックから始めるべきかも知れない。ガソリン車における警告灯が原因の不合格数は、排ガス関連の指摘を受けた全車両の43%、27万5601台にも達しており、ディーゼル車とは比べ物にならないほど高い割合となっているのだ。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像