自動車デザインの名門 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート訪問 未来のクルマが生まれる場所

公開 : 2019.06.30 18:50

UXの重要性 期間を短縮

デザインが新たな方向性へと向かうなか、UX(User Experience:ユーザー体験)インターフェースを手掛けるデザイナーへの関心が、自動車メーカーのなかで高まっており、だからこそ、非常勤講師のジョー・シンプソンが教壇に立っているのだと、ハローは話す。

その狙いのひとつが、次世代の自動運転EVで搭載されることになるだろう、キャビン全幅に広がるディプレーを使った、最高のUXデザインを、デザイナーたちがエンジニアとともに創り出すことができるよう、タッチスクリーンの技術的な理解とプログラミングを、学生たちが身に付けられるようにすることにあるという。


「恐れているのは、エンジニア主導で進められた結果、使い勝手が悪く、非常にフラストレーションの溜まるデザインが生み出されることです。デザイナーであれば、Appleがコンピュータで示したように、その使用方法を分かり易い方法で表現することができます」と、ソープは話している。

変化の一方、インテリジェント・モビリティコースは、依然としてMAの学位に代表される大学院として存在するため、在籍するのはほとんどが20代前半から中盤の若者であり、平均的な学生数は約30名となる。

だが、大きな変化は休日日数を削減することで、コースの期間を24カ月から15カ月へと短縮したことにある。その結果、ロンドンの高いアパート代を支払わなければならない期間が減ったことで、学生が負担するトータルコストを抑えることに成功しているのだ。

英国出身者の場合、学費は1万4500ポンド(199万円)の一方、留学生の場合、その費用は3万4000ポンド(466万円)にも達するが、中国や韓国、インドに代表される海外から多数の学生が集まる傾向はいまも続いている。さらには女性の数も増えており、その数は新入生の約10%を占めている。

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