ダイハツの「DNGA」 手放しに喜べないワケ 背景に「新興国」 独自の価値が必要

公開 : 2019.07.10 19:10  更新 : 2021.10.22 10:18

軽自動車と小型車を共通のベースで開発

ダイハツでは「新しいDNGAのプラットフォームは、軽自動車だけでなく、Aセグメント(全幅:1695mm以下)や、Bセグメント(全幅:1750mm以下)にも対応可能に造り込みました。そこには新興国向けの小型車も含まれます」という。

軽自動車/A/Bセグメントで完全に同じプラットフォームを使うわけではないが、考え方や基本形状は共通だ。

マツダにも当てはまる話だが、サイズが違っても開発の考え方と形状が同じなら、開発コストや時間を大幅に減らせる。

注目されるのは、ダイハツが「軽自動車から新興国向けの小型車までをDNGAでラインナップする」と述べていることだ。

ちなみに15年前、ダイハツの開発者に「軽自動車のプラットフォームを、海外で売るコンパクトな車種に使えないのか」と尋ねた時は、返答がまったく違っていた。

「日本の軽自動車のプラットフォームは、安全性が優れている代わりに、価格も相当に高いです。新興国向けのクルマに採用したら、コストと価格が折り合いません」

「新興国向けの車両開発では、古いクルマの設計図を引っ張り出して、昔のクルマから安く造るヒントを探しているほどです」と述べていた。

今と15年前では、新興国向けのクルマ造りは大きく変わった。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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