メルセデス・ベンツXクラス オーストラリア試乗 積荷はビール 豪アウトバックめざす 前編

公開 : 2019.08.31 18:50

メルセデス初のピックアップモデル、Xクラスでオーストラリアのアウトバックを目指す旅に出ました。スタンダードモデルであれば、17本ものビール樽を積み込むことが出来るという荷台ですが、今回選んだX250dでは、快適性と引き換えにその数は14本に留まっています。

ビール樽なら17本

「最近はオシャレになり過ぎています」と、オーストラリアのアウトバックを象徴するプレーリーホテルの外でビール瓶を手にカムは話す。

メルセデス・ベンツXクラスのテールゲートに寄りかかって、酔った様子のオージーが知りたがっているのは、なぜこのスリーポインテッドスターのピックアップモデルが、地元で愛されるトヨタを上回る人気を博すことが出来るなどと考えたのかということだ。

Xクラスのプレミアムな価格はオージーたちを驚かせることとなった。
Xクラスのプレミアムな価格はオージーたちを驚かせることとなった。

このクルマの価格がBMW Z4を買えるほどだというだけでも、彼がいま手にしているビールの泡を消し去るには十分な衝撃かも知れない。

この旅は昨日ビールとともにスタートしているが、メルセデスのクルマにビールを積み込むなどもっての他だろうか?

2016年、世界最古の自動車メーカーから、初のオフロードピックアップ(この地をダウンアンダーと呼ぶように、ここではUTE、ユーティリティ・トラックと言った方が相応しいかも知れない)が登場したとき、メルセデスでは誇らしげにこのクルマの荷台はビール樽を17本積み込むことができると話しており、だからこそ、オーストラリアでは決して大きいというわけではないが、地元資本としては最大規模となるアデレードのクーパーズブルワリーに立ち寄ることにしたのだ。

快適性と引き換え 実際には14本

フォークリフトが銀色に輝くビール樽をわれわれのX250dに積み込む様子を眺めていると、メルセデスの言う17本のビール樽という主張には、まるで英国のEU離脱問題のような不都合な真実が隠されていることが明らかとなった。

つまり、17本というのはXクラスのベースモデルだけに通用する主張である一方、ベースモデルではアウトバックには必須の四輪駆動システムを選択することは出来ず、オートマティックトランスミッションと電動パワーシートに加え、その他豪華装備を備えたわれわれのX250dの場合、積み込むことのできるビール樽の数はさらに少なくなっている。

最後の樽を積み込むには多少の工夫が必要だった。
最後の樽を積み込むには多少の工夫が必要だった。

再計算の結果、われわれのXクラスの最大積載重量は1021kgであり、実際に積み込むことの出来るビール樽の数は14本だった。

だが、この削減された最大積載重量が最後には思わぬ効果を発揮している。

その荷台にビール樽を積み込んでいくと、Xクラスのリアは危険なほどに深く沈み込み、ほとんどバンプストッパーに接触しそうな様子を見せる。

日産の姉妹モデル同様、ハンドリングと快適性の向上を図るべく、X250dではリアサスペンションにリーフスプリングではなくコイルを採用しているが、これがビール樽の積載本数が14本に留まる理由だった。

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