車輪が3本付いたフレームに原始的なエンジン 3輪自動車レースに参戦 後編

2019.09.15

100字サマリー

120年以上前に製造された、博物館に収まっていそうな3輪自動車によるレースを復活させた人物がいます。彼から招待状をもらった英国編集部は、怪我のリスクをおして、果敢にも参戦し完走を果たしました。その様子を覗いてみましょう。

もくじ

8kmの距離のレースでも耐久戦
1898年式「ロシェ」 オーナー:ロバート・ラスク
1902年「ド・ディオン・ブートン」 オーナー:デビッド・カード
1896年「レオン・ボレエ」 オーナー:デイブ・ピタック
1900年「MMC 2.25」オーナー:コリン・スポング

8kmの距離のレースでも耐久戦

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

初開催となるド・ディオン・ブートン・グランプリだが、出場するライダーの目は最終ラウンドということで真剣さも増している。だがトライクの数はこれまでの2戦を経て、5台に減っている。スタートは調子よく、思いっきりペダルを漕いでエンジンはすぐ目覚めた。1周目はあっという間に過ぎたが、2周目でペレットの調整が完璧ではないことがわかる。コーナー途中でエンストするが、ペダルを必死で回してエンジンの息を吹き返す。

身体を傾けてコーナーを抜けるが、小さなトライクはインフィールドで追い越され、順位が落ちていく。取材と出場経験を作る目的という考えは消え、ストレートでは空気抵抗を減らすために身体を倒し、フレームに押し付ける。先頭を走るトライクが滑るように過ぎるのを二度見する。ポンポンという排気音が止まっているように聞こえた。

総長でもわずか8kmという距離を走るレースだが、ド・ディオン・ブートン・グランプリはスプリントレースではなく、耐久戦。完走するということは、優勝したくらいの大きな達成感がある。20周ほど過ぎたところで、機械的な故障がマシンを襲った。ファイナルラップのベルが鳴り、最後のアタックをかける。バンクコーナーの頂上から前回で降り、インフィールドのヘアピン目がけて突っ走る。チェッカーフラッグが目に入り、猛烈にペダリングしてスピードを稼ぐ。

われわれ英国編集部のチームは、見事に不可能だと思っていた完走を果たせたのだ。フラッグを受けると安堵を感じるも、すぐに高揚感に入れ替わった。しかもビリではなかった。砂埃が落ち着いた頃には、ビリから2番めの順位だと知り、さらに嬉しくなった。

それでは、出場したトライクたちを、オーナーのコメントとともに見てみよう。

 
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