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アルファ・ロメオ・トナーレ フィアット・チェントヴェンティ 次代を担うコンセプトモデル 前編

2019.09.16

手ごろなEV すべてがオプション

このクルマのEVバージョンはより手ごろな価格を実現すべく、スタンダード仕様の航続可能距離は100km以下に留まると予想されている。もちろん、この距離では都市型モデルとしても十分ではなく、必要に応じてさらに100kmの走行が可能となるバッテリーパックを購入かリース、またはレンタルで追加することが可能であり、同じ方法でさらに多くのバッテリーパックを選択することも出来る。

次期パンダの先行モデルとなるチェントヴェンティではすべてがオプション扱いであり、このクルマに関するさまざまなアイデアのなかには、単一グレードでの発売というものもあるが、この場合、オーナーは好みに応じて必要なオプションを、新車購入時でも購入した後でも選択することができるようになる。

フィアット・チェントヴェンティ
フィアット・チェントヴェンティ

この単一グレード方式を採用することのメリットのひとつが、車載ハーネスが1種類で済み、販売後のアップグレードやオプションに必要な対応が接続するだけで完了することだとフランソワは言う。

だが、こうした点もフランソワの抱える悩みに比べれば些細なことなのかも知れない。

マルキオンネのくびき

彼が抱える悩みというのは、このモデルをいつ市販すべきかというものであり、ガソリンエンジンを積んだ次期パンダの登場が2021年だとされる一方、手ごろなEVモデルはいつ市場に投入すべきだろう?

「成功が必要です」とフランソワは言う。「電動化に向けた大胆なアプローチですが、タイミングが重要であり、なかには急ぐべきだという声もあります」

フィアット・チェントヴェンティ
フィアット・チェントヴェンティ

だが、難しい決断だ。「政府の補助金が廃止されれば、EVの価格には最大限の下押し圧力が加わることになるでしょう」とも彼は話しており、だからこそ「より良いモデル」が必要になると考えているのだ。

なぜこの素晴らしいモデルの市販化にこれほどの時間が掛かり、強い印象を残すことには成功しているものの、依然として単なるコンセプトモデルとしてしか存在していないのだろう?

その理由に、フランソワは先ごろ亡くなった彼の元上司、セルジオ・マルキオンネと相談するタイミングの難しさをあげている。問題はこのクルマのプロモーション方法と、決して収益性が高いとは言えないこのセグメントに関するマルキオンネの認識だった。

 
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